ロシアン・スナイパー


 2017.12.18      孤高の女スナイパー 【ロシアン・スナイパー】

                     
ロシアン・スナイパー [ ユリア・ペレシルド ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
ソ連の女スナイパーの物語。非凡な才能から射撃部隊に抜擢されるリュドミラ。戦場で数々の実績を上げるが、女だからと様々な苦労や障害がある。狙撃兵としてドイツ人から恐れられるリュドミラ。行動を共にする隊長の死や愛した人の死を目の当たりにする。それでもリュドミラは生き残り、英雄として祭られることになる。リュドミラの過酷な狙撃のシーンはすさまじい。

雪深い山奥でひたすら相手が動くのを待つ。ひたすら我慢比べをしている状況だ。相手がしびれをきらし動くとすぐさま狙撃する。狙撃シーンにはしびれるものがある。隊長と二人っきりでひたすら狙撃を続ける。そして、戦友たちは次々と死んでいく。激しい戦火での女性スナイパーの苦悩が描かれている。

■ストーリー
1941年、ナチスドイツによるソ連侵攻が始まった。まだ大学生だったリュドミラは、非凡な射撃の才能を買われ、戦場に身を投じる。狙撃兵として次々と標的を仕留めるリュドミラは、やがて敵からは“死の女”と恐れられ、軍上層部には英雄として讃えられ、戦意高揚の道具として利用されてゆく。戦場で芽生えた恋、愛する人の死、そして新たな出逢い。その間も戦況は悪化し、10カ月におよぶ壮絶な攻防戦が開始された。

■感想
射撃の才能を買われ戦場に送り込まれるリュドミラ。女が男に交じり戦場で戦うことの過酷さが描かれている。同じ能力があっても、女ということが軍の宣伝になる。そのため、広告塔や英雄として扱われるリュドミラ。そのことに嫌気がさすリュドミラ。

戦友と共に狙撃の腕を磨き、敵から死の女と恐れられるまでになる。狙撃の緊迫感はすさまじい。山奥でひたすらかがみこみ、敵が動き出すのを待つ。少しでも敵が動き、場所が判明するとそこに一閃する。とてつもない射撃能力だ。

リュドミラは女だからと戦友の男たちに言い寄られることもある。気丈に拒否するのだが、中には愛する存在もでてくる。孤独なスナイパーではあるが、隊長と共にひたすら敵を殲滅するために狙撃を続ける。リュドミラはどこか狙撃を楽しむようなところがある。

戦車と相対した際にも、どのようにして戦車の乗組員を破壊するかを考える。美しい女スナイパー。すさまじい射撃の腕をもち、見た目が良いだけに軍からは英雄として扱われることになる。

激しい戦場では、生きる者と死ぬ者がいる。リュドミラは運よく生き残っているが、仲間たちは次々と死んでいく。そして、愛する人も。目の前で愛する人が爆撃され、血みどろになったとしても、必死に助けだそうとするリュドミラ。

ひとりの女スナイパーの生き様としてはすさまじいインパクトがある。戦場で恋が芽生えたとしても、すぐに別れはおとずれる。そして、新たな出会いがあるのだが…。人との出会いは、すぐに次の別れに繋がる可能性があるのは、戦場ならではだろう。

戦友と恋するのは、辛いことばかりなのだろう。



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