ロンドン・ブルーバード ラスト・ボディーガード


 2015.6.24      足を洗いたいギャングの悲哀 【ロンドン・ブルーバード ラスト・ボディーガード】

                     


■ヒトコト感想

出所した元ギャングのミッチェルが、昔の仲間に誘われギャングの世界に戻るのか、それともまっとうな仕事につくのか。ミッチェルの冷静で力強い魅力に支えられている作品だ。足を洗うつもりのミッチェルに各方面から犯罪の片棒を担がせようと誘いがかかる。セレブ女優のボディーガードを受けたは良いのだが…。ミッチェルには様々な苦悩がある。

薬物中毒の妹、悪い仲間たちからの誘い。ギャングのボスから目をつけられ、無理やり仲間にされそうになる。ボディーガードの仕事はパパラッチに苦労する。ミッチェルのかっこよさは、自分の信念を貫き、ギャングのボスにさえひるむことがないということだ。登場キャラクターはどこか刹那的であり、今さえよければすべて良いという雰囲気すら感じてしまう。

■ストーリー

3年の刑期を終え出所したミッチェルは裏社会から足を洗うことを決意し、女優のボディガードの職に就く。しかし、ギャングのボスがミッチェルを仲間に引き込もうとし…。

■感想
コリン・ファレル演じるミッチェルが良い。出所してからはまっとうな職につこうと奮闘する。昔の仲間の誘いを断り、妹を社会復帰させようとする。ミッチェルが周りから信頼され、なおかつ恐れられているというのは早い段階でわかる。

そこから女優のボディーガードを、パパラッチに苦労しながら平穏無事にやり通すのかと思いきや…。女優と共に暮らす元俳優が曲者だ。ジャンキーであり、刹那的で何をしでかすかわからない危険な香りを放っている。

ミッチェルが信頼するホームレスが若者に殺され、仇を討とうとする。ミッチェルが悪の道に入り込むのか、それともとどまることができるのか。ギャングのボスには仲間になれと脅され、ボディーガードの仕事はストレスがたまる。ミッチェルのかっこよさがここから加速していく。

誰もが恐れるギャングのボスに対して、ひるむことなく反抗し続ける。そして、しまいには相手を脅すようなことすらしてしまう。ミッチェルの強烈な力強さがこのあたりで強調されてくる。ギャングのボスとの対決は、お互い身内を殺しあう結末となる。

ギャングのボスとの対決が終わり、女優のボディーガードにもけりをつける。最後はなんとも悲しい終わり方なのだが、ギャング崩れには理想的な最後かもしれない。スタイリッシュな音楽と、おしゃれな映像の数々。そして、圧倒的な暴力。

グロテスクな場面を映すことなく、間接的に強烈な暴力を描く。見ている方としては、キャラクターの冷酷非道な部分に強烈なインパクトを覚えるが、嫌な感じは少ない。それはひとえに、映像の効果だろう。

ギャング映画としてはありきたりだが、面白い。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp