ロックアウト


 2016.7.14      宇宙版ダイ・ハード 【ロックアウト】

                     
ロックアウト(Blu−ray Disc)

■ヒトコト感想
序盤にスノーが警察から尋問を受け、激しいアクションを繰り広げている場面では未来の話とは思わなかった。それが、囚人たちを宇宙の監獄へと送る場面からは、一気に未来感がパワーアップしている。囚人だけを集めた宇宙ステーション。合理的だが危険もある。そこに大統領の娘であるエミリーが視察にきたことで事態は大きく動き出す。囚人たちの無法者っぷりがよい。

普通の監獄とは異なり、ステーションを占拠されてしまうと、そのステーション自体が攻撃機能をもっているため、外部から攻撃することは難しい。ちょっとした囚人たちの要塞と化した中に、スノーがひとり入りこみ、エミリーを助け出そうとする。まさに宇宙版ダイ・ハードといったような感じだ。

■ストーリー

2079年― 極限まで高まった人類の安全への欲求は、刑務所の管理体制にまで及んでいた。コールドスリープによる囚人の完全管理、重火器搭載の自動防衛システム、ソーラーシステムによる半永久稼働の最新設備を備え、500人の凶悪犯を実験的に収容した脱獄成功率0%の刑務所MS-1。そこは、地球上には存在しない、宇宙に浮かぶ究極の監獄だった。

組織の重要機密漏えい事件を追っていたCIAエージェント:スノーは、ホテルの一室で殺害された同僚を発見する。しかし、激しい追撃を受けるうちに、証拠を握る仲間は消え、国家安全保障局に捉えられたスノ―は、同僚殺しの罪を着せられMS-1へ送られることが決定した。

その頃、MS-1では、人道活動団体を率いた大統領の娘エミリーの訪問を受けていた。MS-1での囚人の扱いに疑いを抱くエミリーは、囚人からの聞き取り調査を行うためにやってきたのだ。早速、囚人の中でも最も凶暴といわれるハイデルの聴取が始まった。

■感想
軽口をたたきながら飄々とした態度で警察から尋問をうけるスノー。囚人たちが反乱を起こした宇宙ステーションへと乗り込むことになるスノー。囚人たちは、交渉してなんとか地球に戻ろうとする。そこで鍵となるのは大統領の娘であるエミリーだ。

最初は大統領の娘とは気づかず、人質のひとりであったが、気付かれてからは囚人たちから血眼になって探されることになる。エミリーを助け出すためにスノーはその能力をはっきする。エミリーの髪を切り、黒く染め、顔も殴られたように腫れさせる。スノーの飄々とした表情が良い。

脱獄成功率0%の刑務所。外部からの侵入を防ぎ内部からも出ることができない。スノーがひとり奮闘する。まさにダイ・ハード的な流れだ。囚人たちの中にはサイコと呼ぶにふさわしいような人物もいる。破壊することだけを楽しむ男。

リーダーの弟だからと、リーダーからの粛清を逃れている。異常な囚人たちとスノーの戦い。エミリーを守るという目的と、もうひとつ大事な、データを預けた仲間からデータのありかを聞きだすというミッションがある。スノーの奮闘ぶりが強烈だ。

未来感抜群の映像もあれば、突然泥臭い場面にもなる。謎のデータのありかについては、そこだけ古臭いミステリーのような流れとなる。未来的な映像はすばらしく、刑務所内での激しいアクションも申し分ない。どこかマトリックスを思わせるような流れもある。

未来の刑務所としてのアクションはすばらしく、囚人の情け容赦ない攻撃もメリハリが利いていてよい。強烈なインパクトがあるのは間違いない。最初は安易なアクション映画かと思ったが、宇宙版ダイ・ハードとしての面白さは十分にある。

ミステリアスな部分は余計だったかもしれない。



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