リンカーン弁護士


 2017.9.7      冒頭とラストで印象は大きく変わる 【リンカーン弁護士】

                     
リンカーン弁護士 [ マシュー・マコノヒー ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
やり手弁護士ミックの物語。タイトルは、ミックが常にリンカーンに乗って移動することからきている。金次第でなんでもやる敏腕弁護士。御曹司のルイスからの依頼に対応するのだが…。ルイスがいかにも穢れを知らないお坊ちゃま風なのが婦女暴行事件のイメージに合わないため、冤罪事件をミックが晴らすという形かと思った。

純粋に無実を訴えるルイス。女にはめられたと叫ぶ。ミックが使う調査員の能力がすさまじく、あっという間にあらゆる証拠を集めてしまう。中盤以降の変化の激しさはすさまじい。ルイスの印象が180度変わるといっても良いだろう。そして、ミックが過去に冤罪の片棒を担いでしまったと後悔し始める。このあたりが法廷ミステリーとしてはピークかもしれない。

■ストーリー
高級車リンカーンの後部座席をオフィスにL.A.中の法廷を駆けめぐるミック・ハラーは、金次第で麻薬売人や売春婦の容疑を晴らす敏腕弁護士。ある日、資産家の御曹司ルイス・ルーレが女性への殺人未遂容疑で告発され、弁護を担当することに。楽勝で高額な報酬にありつけると勇むミックだったが、過去にミックが弁護を担当した別の殺人事件の真犯人がルイスではないか、という衝撃的な疑惑が浮上。

ルイスの身辺を調べ始めたミックの周りにルイスの魔の手が迫り、やがて危険はミックの元妻マギーや娘にまで及び始める。自分が用意周到な罠に嵌められたことを悟ったミックは、弁護士として、父親として人生最大の危機に瀕していくのだった…。

■感想
能力は高いが莫大な料金を請求するやり手弁護士のミック。資産家の御曹司であるルイスの婦女暴行事件を弁護することになる。ルイスの事件は、いかにもルイスが何者かにはめられた風な流れとなる。好青年なルイスが女性を暴行なんてするはずがない。

ミックはルイスの無実を証明するためにさまざまな調査をする。ミックのすごさは、ミックが使っている調査員のすごさとイコールだ。あらゆるコネを駆使して検察側が用意している証拠を事前に入手する。ルイスが無実となりそうな証拠を固め始めたとき、新たな展開となる。

本作のポイントは、過去にミックが担当した殺人事件の容疑者にあるのだろう。本人はかたくなに冤罪だと訴え続けたが、ミックは聞く耳をもたない。その結果…。ルイスの事件を調査していると、過去の事件との繋がりが見えてくる。ここでルイスの印象が一気に変わってくる。

ルイスの弁護士であるミックは知り得たことを守秘する義務がある。それはつまり、ルイスが過去の事件で決定的なことを証言したとしても、それを証拠として採用することはできない。非常に練り込まれたストーリーだ。

ラストの展開もすばらしい。ミックの法廷での立ち回りは、ルイスを無実にしようとする動きだ。婦女暴行事件に関してのミックの立ち回りはすばらしく、検察が新たに提出した証拠に対して、あっさりと反論してしまう。その結果、ルイスは不起訴となるのだが…。

この後の流れがすばらしい。罠にはめられたはずのミックだが、巧みに利用しルイスを追い込んでいる。ミックの調査員がすばらしい働きをし、すべてを解決してしまう。リンカーンに颯爽と乗り込む悪徳弁護士のように見えるが、冤罪を許さない正義の弁護士に見えてきた。

冒頭と最後でこれほど印象の変わるキャラもめずらしい。



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