2017.8.4 醜い体をあえてさらけ出す 【リベンジ・マッチ】
リベンジ・マッチ [ シルベスター・スタローン ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
80年代のボクシング映画でそれぞれ脚光を浴びたシルベスタ・スタローンとロバート・デ・ニーロが30年の時を経て対決する。作中では若いころに戦ったという体で、リベンジマッチという流れだ。若いころの映像を交え、今では老けてブヨブヨの体となった二人が再びボクシングに挑戦する。スタローンはまだしも、デニーロはボクシングをする体型ではない。
物語としても80年代の映画に熱狂したようなオールドファンをターゲットにしている。周りからリベンジマッチを色物扱いされるが、当人たちは真面目に決着をつけるつもりでいる。作中では、最初はブヨブヨの体だったふたりが、だんだんと引き締まってくるのが見てとれる。その姿を醜いと思うか素晴らしいと思うかは見る人の感覚しだいだろう。
■ストーリー
1980年代に全盛期を誇った2人の伝説の元ボクサー。彼らは過去に遺恨を残した宿命のライバル同士だ。かつて対戦したタイトルマッチで1勝1敗のまま勝負がつかず、しかも私生活では女をめぐるトラブルを抱えていて…。『ロッキー』シルベスター・スタローンと『レイジング・ブル』ロバート・デ・ニーロが、ボクシング映画史上ツートップのプライドを賭けたW主演で贈るアクション・ムービー。
■感想
伝説のボクシング映画俳優たちが、30年の時を経てリベンジマッチを行う。過去の映画の映像を使いながら、ふたりがさも戦ったような演出がされている。全盛期であれば、ふたりが共演するなんてことはありえないのだろう。
初老となりブヨブヨな体となったふたりであれば、その衰えた容姿を揶揄するような物語にも出演可能なのだろう。作中ではふたりのリベンジマッチを色物の対決というイメージで語られている。全盛期のイメージが残った状態で、今を見ると嘲笑されるのも当然だろう。
醜い体であったふたりが、対決の日が近づくにつれ激しいトレーニングを積むことで体が絞られていく。周りが面白対決扱いをしていたのが、次第に変わっていく。ただ、肉親たちは高齢なふたりの対決に反対する。
エンドロールでマイクタイソンとホリフィールドが登場し、リベンジマッチはどうかという問いかけがある。まさにこんな感じなのだろう。ただ、スタローンもデニーロもいかんせん歳をとりすぎている。映画だからリベンジマッチとして成立しているが、現実であればありえない試合だろう。
往年のボクシング映画ファンならば涙を流して喜ぶ対決だろう。それがお互いの全盛期に実現したとしたら、別々の映画の主役同士が対決し決着をつけるなんてのは、まさにありえない夢の対決だ。
みじめさをあえてさらけ出すことで同情心を買い、さらにはトレーニングし引き締まった体を披露することで、その努力により観衆を感動させる。確かにデニーロが懸垂を何回もやるなんてのはかなりの驚きだ。スタローンについては、いつもの感じだから特別な驚きはない。
元ネタの「ロッキー」「レイイング・ブル」を見ていれば、より楽しめることだろう。
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