2017.6.29 アメリカの妊婦事情 【恋愛だけじゃダメかしら?】
恋愛だけじゃダメかしら?■監督:カーク・ジョーンズ//キャメロン・ディアス
評価:3
■ヒトコト感想
妊娠をとりまく環境を様々なカップルの関係として描いている本作。アメリカの妊婦事情というか、妊婦であっても外に出て目立つことをよしとするような雰囲気がある。セレブが手本になっているのだろう。腹だけが出ていてもそれ以外はスリムで美しい。ギリギリまで仕事をしメディアに登場してくる。対して夫側は常にオドオドしながら頼りない。
子供が生まれると、ベビーカーにのせて同じような男たちと公園をブラブラする。妊婦の大変さはわかるが、メディアに毒されているのもよくわかる。男たちが、どうにも主導権がなく右往左往するのもよくわかる。結局人それぞれで妊娠に対するとらえ方は変わるが、子供が生まれれば、すべて丸く収まるということだろう。
■ストーリー
ダイエット番組の名トレーナー、ジュールズ(キャメロン・ディアス)は、恋人の子供を妊娠。キャリアも恋も両立を目指すが、現実は厳しく…。不妊体質のフリーカメラマンのホリー(ジェニファー・ロペス)は、養子を迎えると決めるが、夫は逃げ腰だ。妊娠、出産が幸せの絶頂だなんて、誰が決めた?
喜びばかりでないではない、ちょっぴりダークな現実を見せてくれるホンネ全開のロマンティック・コメディ!
■感想
ダイエットトレーナーが妊娠すると、仕事はどうなるのか。腹が突き出たまま、さわやかにダイエットトレーナーとして仕事を続ける。ハリウッドセレブなどのイメージなのだろうか。妊娠しても仕事を続け、付き出た腹を惜しげもなくさらしている。
そして、妊娠はすばらしいものだと声高に叫ぶ。不妊に悩む者は養子を迎えることを考える。若者は意図しない妊娠に混乱しながらも、子供を産むことを決断する。様々なタイプの妊娠があり、それぞれのカップルで事情が異なる。
最も印象的なのは、父親が有名レーサーで若い女と再婚した息子夫婦のエピソードだ。親子ともども妻が妊娠する。父親の奥さんは涼しい顔をして双子を妊娠する。自分の妻は苦しみながらの妊婦生活となる。父親が有名人として常に苦労してきた男は、父親に対して反発心がある。
この親子とそれぞれの妊婦のエピソードが秀逸だ。結局のところ妊婦には様々な困難が待ち受けている。平気な顔して子供を産むことはマレなのだろう。苦労を表にださないことの苦労が描かれている。
夫たちはその時何をしているのか。それぞれのパートナーに対して親身に対応しているのだが、どうしても疎外感はある。極めつけは子供が生まれたあと、その小さい子を連れて公園でベビーカーを押しながらたむろする場面だ。
夫たちは子供を抱えながら奥さんへの愚痴をつぶやく。そして、いずれ自分がその仲間に入ると認識する男。アメリカらしい流れだ。ただ、どのカップルも奥さんを愛していることには変わりなく、子供を大事にしているというのもある。
アメリカの妊婦事情が垣間見える作品だ。
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