RAYLWAYS 愛を伝えられない大人たち


 2016.9.3      熟年離婚はこうやって起こる 【RAILWAYS 愛を伝えられない大人たち】

                     


■ヒトコト感想
前作はエリートサラリーマンが子供のころの夢を実現するため、50歳にして電車の運転手に挑戦する物語だった。本作は電車の運転手として定年間近の徹とその妻の物語となっている。正直、電車はあまり関係ないかもしれない。徹の性格が几帳面で、35年間無事故無違反ということを強調している程度だ。徹の性格がきっちりしているため、妻がそんな生活に嫌気がさし、ひとりの力で生きたいと看護士に再就職する。

俗に言うところの熟年離婚夫婦ということだろう。ただ、徹の気持ちもよくわかるが、いかんせん徹の考え方は古すぎる。妻に離婚をつきつけられ、なお強情な態度を示す。昔のガンコオヤジを絵に書いたような人物だ。ただ、突然の変化に対応できないのもうなずける流れだ。

■ストーリー

三浦友和と余貴美子の共演で、富山を舞台に第二の人生を模索する運転士と妻の姿を綴る感動ドラマ。仕事ひと筋の鉄道運転士・滝島徹は気付けば59歳。専業主婦として彼を支えてきた妻の佐和子は、夫の定年退職を機に仕事を再開すると宣言するが…。

■感想
定年間近の運転手とその妻の物語。夫が定年したことで自分の仕事を再開させようとする妻。そして、それを聞いて激怒する夫。典型的な亭主関白の家庭だ。ひとり娘は当然母親の肩をもつ。徹としては、十分生活できているのに、なぜ働きにでるのかと疑問に思う。

この徹というキャラクターがいかにも時代錯誤な古い考えをもつ頑固オヤジな雰囲気がプンプンしている。徹が子供のころであれば、女は常に男の後ろを歩き、家のことをやっておけば良いという考え方だったのだろう。それを現在まで引きずるのは徹が悪いのだが、しょうがないことかもしれない。

徹の妻はかたくなに働きたいと思い、家をでて離婚届を徹につきつける。それをそのまま受け入れ出ていけという徹。なんだか悪循環でしかない。電車の運転手として常に平常心で几帳面な対応をしてきた徹も、家のこととなると頭に血が上り、とんでもないことを口走ってしまう。

徹の頑固さと妻の反乱。そして、娘は全面的に母親を支持する。今の時代であれば徹が頑固すぎるというのはよくわかる。が、本人の感覚としてはなぜ?という思いが強いのだろう。

正直、電車の運転手だからというのはほとんど関係ない。ただ、純粋に頑固なオヤジが現実をつきつけられ、周りの状況をよく観察することで、自分は間違っていたと気づく物語だ。熟年離婚はこうやって起こるのだろうと想像できるリアルさがある。

そして、今これを見て、徹の頑固さに驚いてはいるが、自分が同じく歳をとったら、新しい時代の考え方についていけず、同じような頑固な態度をとっているかもしれない。電車の運転手が頑固というわけではないが、この頑固な几帳面さが運転手に向いているのだろうか。

熟年離婚の真実を見せられているようだ。



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