ラビット・ホール


 2017.10.1      息子を失った夫婦の失望と再生 【ラビット・ホール】

                     
ラビット・ホール /ニコール・キッドマン
評価:3

■ヒトコト感想
息子を交通事故で失った夫婦の物語。妻のベッカは早く忘れたいと願い、夫のハウイーは、思い出として残しておきたいと考える。二人の考えの違いが次第に現れ始める。同じような経験をした夫婦との会合がバカらしくなり参加しなくなるベッカ。かと思うと、妹や母親の言葉に過剰に反応する。

このあたり、息子を失った母親の不安定さが現れている。周りも何が地雷になるかわからないので、ビクビクしながら対応することになる。ベッカとハウイーの夫婦間はぎくしゃくしているが、ベッカはなぜか最も憎んでよいはずの加害者である少年ジェイソンと交流をもつ。このあたりのベッカの心境が不明だ。なぜジェイソンへ近づいていったのか…。

■ストーリー
喪失からの再生を描いた上質な人間ドラマの感動作!交通事故で愛息子を亡くしたことによって、それまでは想像し得なかった心の痛みに囚われた主人公ベッカ、そしてその夫ハウイー。同じ痛みを共有しながらも、夫婦の関係は少しずつ綻び始める。そんなある日、ベッカはとある少年を目撃する。彼の名前はジェイソン。8か月前、息子を車で轢いた高校生だった…。ニコール・キッドマン、アーロン・エッカートほか出演。

■感想
愛息子を交通事故で亡くす。そんな衝撃を受けた夫婦の喪失から再生までを描く。思い出の残る家。息子のビデオを熱心に見る夫。夫婦の中で死んだ息子に対する考え方の違いがしだいに浮彫になる。忘れようとするベッカと、思い出として残したいハウイー。

どちらの気持ちもわかる。そして、同じような経験をした夫婦たちとの会合に嫌気が差すベッカと、会合の中で仲間を見つけ出すハウイー。この先どうやって生きていくかの考え方も大きいのだろう。それは子供をもう一人産もうとするのかどうかにもかかってくる。

ベッカが突如としてヒステリックになる。それは妹の妊娠や、ちょっとしたプレゼントまで、なぜそこまで敏感に?と思わされるような流れだ。過去、同じ経験をした自分の母親に対しても悪態をつく。かなり強烈なインパクトがある場面だ。

ベッカの精神的な不安定さは、周りをベッカから遠ざけることになる。そんなベッカがなぜか加害者であるジェイソンを見かけ、思わず追いかけてしまう。ジェイソンとベッカが予想外に仲よくなるシーンは意外でしかない。なぜそうなるのかよくわからない。

ベッカとジェイソンが仲よくしていることを知るハウイー。当然激怒する。自分たちの息子をひき殺した男となぜ知り合いになるのか。ベッカの想いは、もしかしたら死んだ息子をジェイソンに投影していたのだろうか。

ジェイソンが女の子と仲よくしているのを見てショックを受けるベッカ。夫婦の絆が深まるようなエピソードではないが、ジェイソンがひたすら並行宇宙の話をしていたので、そのことがベッカの気持ちを楽にしたのだろうか。

子供を失った夫婦。再生というよりはそのギクシャクさばかり印象に残っている。



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