P.S.アイラブユー


 2016.7.4      死別した夫からの手紙 【P.S.アイラブユー】

                     
P.S.アイラヴユー【Blu-ray】 [ ヒラリー・スワンク ]

■ヒトコト感想
冒頭、ジェリーとホリーの激しい夫婦喧嘩からスタートする。二人が何かしら描いた未来とは違う結婚生活を送っているということがわかる。そこから突如として次の場面ではジェリーが死んだあと、落ち込むホリーの映像となる。死んだ夫が妻を元気づけるために生前、さまざまな仕掛けをしていた。亡き夫ジェリーから贈られてくる手紙。

確かに感動的ではある。が、本作では単純なお涙ちょうだい物では終わっていない。ホリーが未来へすすめないことを心配する友達や母親。それぞれがキャラクターとしてキャラ立ちしており、ホリーも安易に新しく出会った魅力的な男とくっついたりはしない。最後までジェリーと共に生きていくということなのだろう。

■ストーリー

最愛の夫の死を受け入れられず、絶望に打ちひしがれる妻・ホリーのもとに、亡き夫・ジェリーからのメッセージが届く。それから次々とホリーの元に届けられる、“消印のない”手紙。差出人はジェリー。最愛の人を失った悲しみと、最愛の人に出会えた幸せをかみしめながら、友情、そして家族愛に支えられ、ホリーは徐々に生きる力を取り戻していく…。

■感想
亡き夫からの手紙が届く。亡くしてから夫の重要さに気づいたホリーは、落ち込み何も手につかない。そこへホリーを元気づけるために、生前からジュリーはさまざまな仕掛けをしていた。ジュリーからの手紙や指示のとおり行動することで、ホリーは少しづつ変わっていく。

泣ける場面ではある。その瞬間よりも、ジュリーが秘かに自分が死んだあとのことを考えて準備していたことを思うと泣ける。本作ではジュリーの手紙からホリーが元気になるという単純なものではない。

ホリーの親友たちが個性豊かだ。特に男漁りの女がすさまじい。初対面の男にまずは独身かと聞き、ゲイかと尋ね、仕事をしているか?そして最後はキスをして相性を確かめる。ホリーをよく知るバーの店員にしても、ホリーがジュリーのことを忘れられないと知りつつ、ひたすら待ち続ける。

いろいろな人がホリーのことを心配してはいるが、まだホリーはふっきれない。旅行先で魅力的な男と知り合いになり、あっさりとジュリーを忘れてくっつくのかと思いきや…。このあたりが最高だ。

だんだんと立ち直ってくるホリーが最後に親友の結婚式に参加し、そして、ひたすら待ち続けたバーの店員と最後には…。と定番的流れを連想させておいて、そうはならない。純粋に泣きたい人や恋愛映画を楽しみたい人には向かない作品だろう。

結局のところ前にすすもうとするのだが、ホリーはまだ新しい恋愛ができないということだろう。恋愛以外の新しい目標をみつけ、それに邁進していくホリー。険悪だった母親との関係も修復し、新たな恋の予感を感じながら物語は終わっていく。

内容ほど悲しみに満ちてはいない。



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