パーフェクト・ホスト -悪夢の晩餐会-


 2015.7.13      ひとつのパターンでは終わらない 【パーフェクト・ホスト -悪夢の晩餐会-】

                     


■ヒトコト感想

映画作品としてひとつの流れがありながら、突如として別の流れとなる異色作だ。逃亡中の銀行強盗ジョンが親切なウォーウィックの家に転がりこみ、嘘の身分から好き勝手に過ごすはずが、あべこべにウォーウィックに薬を盛られ監禁されてしまう。異常者による監禁物語かと思いきや、それだけでは終わらない。

ウォーウィックは友達に囲まれ、楽しいパーティを過ごす幻を見ながらジョンを痛めつける。典型的な異常者の行動だが、その後、ジョンが脱出した際に、ジョンを逃走犯として追いかけるウォーウィックがいた。ひとつのパターンにとらわれない流れというのは、意外ではある。今後どうなるのか?という先が読めない面白さがある。

■ストーリー

指名手配中の銀行強盗ジョンは、正体を隠し、ある豪邸に逃げ込んだ。 親切に迎え入れてくれる主人ウォーウィック。しかし彼もまた、恐ろしい“秘密”を隠していた。ウォーウィックが想像を絶する本性を露わにしたとき、“異常なホスト”が“不運なゲスト”を翻弄する理不尽な一夜へとなだれ込んでいくのだった・・・。

■感想
逃亡犯のジョンは、人の親切につけ込み、家に入り込みひと時の休憩を得ようとする。そこで豪華な家に住むウォーウィックをだまし部屋に入り込んだのだが…。あべこべに薬を盛られ監禁されてしまう。このあたり、善人のウォーウィックと悪人のジョンという図式が、一気にひっくり返るのが面白い。

気弱そうなウォーウィックが、突然豹変しジョンをいたぶり始める。写真のコレクションには過去に監禁した男たちの姿が写されている。ここまででウォーウィックの異常さが強烈にアピールされている。

完全に立場が逆転したウォーウィックとジョン。ウォーウィックの異常性は、仲間に囲まれる幻のほかに、その正体不明感がある。ここまでで、完全に、ジョンがどのようにして監禁から逃げ出すかに興味は移っていくのだが、突如として終わりを迎える。

なぜか逃げ出すことに成功したジョンは、今度は自分の銀行強盗についての後始末をつけようとする。異常者による監禁という、ひとつの話が終わり、今度はジョンが自分をはめた人間を追いかけることになる。この変化に戸惑うのは確かだ。

ジョンを追いかける刑事の上司として突如登場してくるのがウォーウィックだ。単純に引きこもりの異常者と思われたウォーウィックが、社会的地位のある立場にいることに驚いた。そしてジョンを追いかけ続けジョンと再会することになるのだが…。

異常者の別の顔を描くというのは新しい。この手の監禁ものは、異常者の正体は不明で社会と隔絶された場所にいるというのが定番だが、本作は意外な流れであることは間違いない。

ラストの流れが、観衆の想像をかき立てる流れなのが良い。



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