パッセンジャーズ


 2015.8.30      どこかで見たことのあるオチ 【パッセンジャーズ】

                     


■ヒトコト感想

飛行機事故で生還した5人の乗客のセラピストを担当するクレア。5人の生還者たちには次々と新事実を口にする。怪しげな動きをする航空会社の人間。口封じのために消されるのか…。ミステリアスな流れは序盤から続いていく。飛行機事故は飛行機の欠陥なのか、それとも人為的ミスなのか。クレアが調査する過程で、様々な奇妙な現象にぶち当たる。

クレアに執拗に言い寄るハンサムな男。クレアの自宅には謎の中年女がいる。おかしな展開が続くことで、観衆は不思議な気持ちになる。真実は何なのか?という疑問がピークに達した時、今までのすべてをひっくり返すような衝撃的真実が明らかとなる。どこかで見たオチだが、驚きはすさまじい。

■ストーリー

飛行機事故で生き残った5人の乗客たちの心の傷を癒そうと、事故の真相を追究し始めるセラピストのクレア。しかし、事故に関する新事実を口にした乗客たちが次々と姿を消していく。さらに、クレアは航空会社の人間に尾行され、大事故の後だというのに不気味なほど落ち着きはらっている男性生存者には大胆に言い寄られる。自宅へ帰れば謎めいた隣人が現れ、生活に口をはさんでくる。

■感想
セラピストとして飛行機事故で精神的に病んでいる人々をケアするクレア。その過程で、飛行機事故を人為的ミスで済まそうとする航空会社の人間たちが怪しげな動きをする。生き残った者たちが口封じのために殺されるのか?という流れがある。

正体不明の者たちに追われる生存者たち。そして、カウンセリングに来る者は次第に減っていく。流れとしては、生き残った者たちが命を狙われるという流れを作りだしながら、それらを巧みに伏線として利用している。

中盤以降にクレアの周辺でもおかしな出来事が起こり始める。クレアに執拗に言いよる生き残りの男。突拍子もない行動をしたかと思うと、クレアに求愛し続ける。夜のデートでは冷たい海に飛び込んでみたり…。つられてクレアも飛び込むのだが…。

ところどころに、最後のオチへと繋がる伏線がある。航空会社の人間とのやりとりや、上司との会話、そして怪しげな隣人の言葉など、普通ではない雰囲気に満ちているが、答えは示されない。モヤモヤした気持ちはラストに驚きのオチと共に解消されることになる。

ラストのオチはどこかで見たことのある流れではあるが、衝撃的だ。オチを知ってから振り返ると、納得の伏線ばかりだ。意味のわからない状況もオチを知れば思わずうなずいてしまう。ラストのオチを観衆に気づかせずに、不自然な状況にならない程度にヒントをちりばめる。

かなり察しの良い人であれば気づくかもしれないが、恐らく普通の人は気づかない流れだろう。過去の名作にも似たようなオチがあるために、二番煎じな印象は拭い去れないが、それでも驚いたことは間違いない。

この手のオチは、伏線をどれだけ巧妙にするかにかかっている。



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