パール・ハーバー


 2015.9.13      日本軍の際立つ不気味さ 【パール・ハーバー】

                     


■ヒトコト感想

日本軍による真珠湾攻撃をアメリカ側から見た作品。日本の戦争映画であれば、アメリカ軍はとんでもない物量で強烈な攻撃を繰り返してくる恐ろしい相手、というイメージがあった。貧弱な日本と巨大なアメリカ。立場が変わり、アメリカ側からすると、日本のゼロ戦は脅威なのだろう。日本は怪しく恐ろしい敵という描かれ方をしている。

前半はよくある恋愛メロドラマ風だったのが、後半からは凄惨な戦闘シーンのオンパレードだ。日本人からすると真珠湾攻撃の印象はあまりないのだが、アメリカでは不意打ちされた、というものすごい怒りが伝わってきた。男の友情と恋愛という普遍的な流れから、戦争シーンへ。そのメリハリがすばらしい。

■ストーリー

太平洋戦争開戦前夜。陸軍航空隊のレイフ(ベン・アフレック)とダニー(ジョシュ・ハートネット)は、幼い頃から固い友情の絆で結ばれていた。レイフは看護婦のイヴリン(ケイト・ベッキンセール)と愛し合うようになるが、やがて運命は彼らの愛も友情も引き裂いていく…。日本軍のハワイ真珠湾奇襲攻撃をアメリカ側の目で見据えたマイケル・ベイ監督のスペクタクル超大作。

■感想
熱い男の友情で結ばれたレイフとダニー。空軍パイロットである二人が看護婦のイヴリンに恋をする。ありきたりな友情と恋愛どちらをとるかという物語に、レイフがあえて厳しい戦地へと向かうことで、ちょっとした騒動が巻き起こる。

戦時中の恋愛というのは、相手が死ぬことを覚悟しなければならない。レイフが死んだと思い、イヴリンと付き合うダニー。このあたり、レイフが戻ってきたときの修羅場は、よくあるパターンだが面白い。そして、なんだかんだで平和な場面は、ここで終わりを迎える。

日本軍のだまし討ちによりパールハーバーの太平洋艦隊が全滅した。伏線として、日本とアメリカの交渉の状況や、日本軍が忽然と姿を消したなど、前ふりはしっかりと描かれている。誰も日本が攻めてくるなんてことは考えていないハワイの日常。

のんびりとした休日の朝に巻き起こる恐怖。正直言うと、アメリカ側から描かれた日本軍の脅威というのは、あまり印象にない。日本軍が関わる戦争映画といえば、ジリ貧な日本と物量にて迫りくるアメリカというイメージが強い。

突如として悲惨な場面が連続する。戦闘機同士の戦い描写がすばらしく。まるで戦闘機ゲームをしているような気分になる。無防備な状態を突然襲われたアメリカ軍がほとんど抵抗することなくやられていく。衝撃的場面だが、物語はこれだけでは終わらない。

不意打ちされたアメリカの怒りはすさまじく、その復讐は無茶な長距離飛行による日本への爆撃にある。日本人からすると、日本軍の描写がなんだか少し変な印象を受けるが、それ以外はまさに強烈な印象を残す作品だ。

パールハーバーでの激しい攻撃描写は衝撃的だ。



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