2017.1.25 男運の悪い女たち 【パーマネント野ばら】
評価:3
■ヒトコト感想
小さな港町で唯一の美容院「パーマネント野ばら」、ここの娘であるなおこを中心に女たちの恋心が描かれている。野ばらに来る客は強烈だ。みな大仏のようなパンチパーをかける。持ちが良いからとパンチをあてる。おばちゃんたちは男に対しても積極的で、ホテルに連れ込んでやってしまえば良いというスタンスだ。
そんな港町で、なおこやフィリピンパブのママをするみっちゃんや男運の悪いともちゃんなど、男絡みでの強烈なインパクトのあるエピソードが続く。なおこは離婚し娘と母親と3人暮らしだが、恋人はいる。この恋人のカシマの存在がなおこを苦しませることになる。中盤まではコメディ的な印象があったのだが、ラストで衝撃的な真実が明らかとなる。
■ストーリー
海辺の小さな港町に佇む美容室・パーマネント野ばらにひとり娘を連れて出戻ったなおこを中心に、町の女たちがそれぞれ抱いている“大人の女性の恋心”を繊細なタッチで描く。
■感想
パーマネント野ばらにパンチパーマをあてにくるおばちゃんたちは衝撃的だ。大仏のようなパンチパーマ。なぜおばちゃんはパンチパーマをあてるのか。その疑問を本作が解決してくれるわけではない。パンチをあてて、長持ちすることで評判の野ばら。
おばちゃんたちは、男関係にはあけっぴろげで常に男を求めている。そして、出会うとホテルに連れ込みやってしまう。おばちゃんのパワフルさはすさまじい。相手の男はやせ形でひょろひょろとしていたりすると、おばちゃんから襲われているようにしか見えない。
なおこは離婚し子供と母親と暮らしている。なんらかのトラウマがあるような描写があり、恋人のカシマがそれを癒している。仲睦まじい恋人同士に見えるのだが、少しづつおかしなことに気づく。カシマに依存するなおこだが、どこかカシマの存在が希薄である。
幼馴染のみっちゃんがフィリピンパブのママとして働きながら夫を食わす。が、みっちゃんの夫はフィリピンの女を口説いている。みっちゃんの怒りが沸点に達した時、すさまじい行動にでる。なんだかなおこ周辺の女たちは男運がなさすぎるように思えてしまう。
ともちゃんも男運が悪い。暴力男とばかり出会い、唯一暴力をふるわない男は、ギャンブル中毒である。むちゃくちゃな環境で、なおこはひとり幸せを感じているはずなのだが…。カシマとの温泉旅行からヘンテコな流れとなる。なおこが精神に異常をきたしており、
そのことをみっちゃんや周りも知っているという流れだ。中盤までのパンチパーマ絡みのコメディ風な流れが、一気にシリアス調に変貌する。この変化は強烈だ。それまでの面白展開が、一気にトーンダウンし、逆に恐ろしく感じてしまう。
ラストの流れは衝撃的だ。
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