パーマネント新喜劇 


 2018.1.25      妙に前向きな気持ちになる物語 【パーマネント新喜劇】

                     

評価:3
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■ヒトコト感想
元縁結びの神様を描いた連作短編集。ちょっとトボケタ神様が、願いをかなえカップルをくっつける。神様が叶える願いは、そのままカップルがくっつく直接的な影響を与えるものではない。間接的にカップルがくっついていく。この流れが自然でちょっと面白いのがポイントなのだろう。彼氏の口癖を言わないように、という願いが、その後カップルの結婚にまで繋がる。

神様の世界がまるでサラリーマンのように、異動や引き継ぎなどがあり、評価を気にしたりとドタバタも良い。ラストは阪神大震災をテーマとしたちょっとシリアスな物語となっている。関西弁のあやしげな神様に、軽い感じで願いを叶えられても、ありがたみが無いように感じるのだが…。

■ストーリー
「あんたの願い、叶えてあげる」こんな神様、信じていいの――!?デートの途中、突然時が止まった。動かない街に現れたのは、「神」と名乗る見慣れない二人の男。ペラペラまくしたてる二人に肩を叩かれ戻った世界は、あれ、何かが違う……?面白さ、神話級! ! アヤしげな「神様」に願いを託し、叶えたり振り回されたりする人たちの、わちゃわちゃ神頼みエンターテインメント。

■感想
「はじめの一歩」は、同期入社のカップルが、彼氏側のある口癖を止めるように願い、それが叶うとふたりは結婚にまで到達する。これだけ見ると意味がわからないが、うまくつじつまが通っている。人が口にする言葉は、その人の性格や人生にまで関わってくる。

ひとつの口癖を止めることで、その人の性格が様変わりし、人生も大きく変わっていく。ここまで極端な例はないのだろうが、多少は真実を突いていると想えた。ネガティブな口癖を止めることで、前向きになるというのはあるのだろう。

「当たり屋」では、当たり屋を生業としている男の元に、何をやっても大当たりする願いが叶えられるのだが…。大当たりを手にする男。最初は半信半疑だが、競馬で万馬券を手にしその効果に気づく。ただ、そこには回数制限があることで、慎重に大当たりを選ぼうとする。

当たり屋の場合、どうなったら大当たりかというのも面白い。ラストでは競馬で億の儲けが確実だと思いながらも、その先の前向きな変化が良い。普通に考えるとありえない状況なのかもしれないが、不自然なほど前向きな結末に強烈な面白さがある。

「トシ&ジュン」は、夢に向かって前にすすむ作家志望の男と、女優志望の女の物語だ。夢を諦めるかどうするのか、30間近になり決断を迫られるふたり。そこで今までとは違ったアプローチで取り組むのだが…。

夢に向かってつきすすむ人が、ひとつのきっかけを手にして大きく変わる。そのブレイクスルーのきっかけが本作のポイントなのだろう。むちゃくちゃな状況を小説にしたり、即興の舞台とする。その荒唐無稽な状況が何かを変えるきっかけになるのだろう。

どことなく、世にも奇妙な物語に登場しそうな物語だ。



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