オブザーブ・アンド・レポート


 2016.10.1      自信過剰な太っちょ警備員 【オブザーブ・アンド・レポート】

                     


■ヒトコト感想
モールを警備する太った警備員のロニー。ただの警備員のはずが、非常に暴力的でかなり高圧的な態度を示す。まるでモールの犯罪を取り締まる警察のようにいばりちらす。このロニーがかなり痛い。法の番人のような振る舞いをしたかと思うと、思いを寄せる化粧品売り場の女に積極的にアピールする。子分を従えモール内を練り歩く。

ロニーの突っ走りっぷりは強烈だ。ロニーがそんな自信過剰な性格になったのは、母親の影響が大きいのだろう。常にロニーをほめたたえる母親。どう考えてもダサい恰好のロニーをイケメンだとほめたたえる。地元の刑事とのくだらないやりとりはすさまじい。人種差別ありありの偏見もまたロニーのキャラクターに合っている。

■ストーリー
ロニー・バーンハートはショッピングセンターのフォレスト・リッジ・モールに勤務する警備主任。パトロール中は、スケートボードで往来する不届きものや万引犯だけでなく、ときに傍若無人な買い物客にも鉄拳をくらわす。いつの日か、懐中電灯ではなく警官バッジと銃を持つことを夢見ながら。そんなある日、店内に露出狂が出没し、ロニーの見果てぬ夢が現実になるときがやってきた。

なんとしても店と客を守ると心に決めたロニーは、この一件を絶好のチャンスととらえた-今まで発揮できなかった“法の番人"としての能力を存分に発揮しよう。犯人を挙げれば、念願の警察学校に入れるかもしれないし、高嶺の花だった化粧品売り場の美容部員ブランディにも振り向いてもらえるはずだ。しかし、ロニーは手柄を焦るあまり、地元のコンウェイ警察署と縄張り争いを演じるはめになる。

■感想
モールの警備員であるロニーがモールで暴れまわる。美容部員のブランディに色目を使い、露出狂を捕まえることに心血を注ぐ。アメリカらしいヒーローを夢見る男で、かなり自信家だ。なぜそこまで自分に自信がもてるのかわからない。

刑事が露出狂の捜査をしている近くで、あることないこと刑事に吹き込むロニー。中東系の店員に対して、テロをもくろんでいるだとか、露出狂だとか見た目だけであきらかに人種差別をしている。ロニーの傍若無人っぷりはすさまじいが、それが変に笑えてくる。

太った体型で常にいばりちらしている。少し好意を示してくるドーナツ店のウェイトレスに対して、ロニーは気づかないのか辛辣な言葉を投げかける。ブランディに振り向いてもらえず、刑事にもなれないとなると…。

母親が常にロニーの味方ではあるが、そのほめたたえ方が常軌を逸している。ぽっちゃり体型では似合わない服装を、イケメンだとほめる母親。ブランディとデートすると報告すると、相手はロニーにメロメロだと返す。この母親に甘やかされ続けた結果がロニーなのだろう。

ラストはモールを首になったロニーがモールで露出狂を捕まえるという流れだ。ロニーの思い込みの激しさはコメディを通り越しているようにすら思えてくる。刑事たちに嫌がらせをされたとしても、ロニーは自分を試していると勝手に思い込みやる気をだす。

露出狂を追いかける場面では、すさまじい形相で相手を追い詰め、あっさりと拳銃をぶっぱなす。コメディ作品でありながら、結末間近でまさかの血みどろの戦いとなる。単純に笑える限度を超えてしまったかもしれない。

かなり異色な作品であることは間違いない。



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