ネクスト・ゴール 世界最弱のサッカー代表チーム


 2017.6.13      まるでマンガのような展開 【ネクスト・ゴール 世界最弱のサッカー代表チーム】

                     
ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム0対31からの挑戦 
評価:3

■ヒトコト感想
FIFAの世界ランキングで最下位のサッカー代表チーム。それが米領サモアらしい。オーストラリアとのW杯予選で0対31で負けたのが有名らしいのだが…。正直自分は知らなかった。そんな米領サモアのサッカー代表チームを追いかけたドキュメンタリーが本作だ。代表選手はそれぞれ仕事をもつアマチュアばかり。当然ながら練習時間は限られている。

世界ランキング最下位の国にオランダから新しい監督がやってきた。さながら弱小チームが熱血監督の元で生まれ変わり、目標を達成する類の映画と同じだ。ドキュメンタリーなので、そこまで劇的な結末にならない。途中で絶望的なアクシデントが起こるわけでもない。それでも弱小チームの意識が変わり強くなっていくのは見ていて心地良い。

■ストーリー
FIFAランキング最下位のサモア代表チームがW杯予選に挑む姿を追ったドキュメンタリー。2001年、W杯予選でオーストラリアに0対31で大敗を喫したサモア代表チームの下にオランダ人監督がやって来る。

■感想
例え世界ランキングが最下位のチームだとしても、サッカーをやっている人からすると国の代表になることは誇らしいことなのだろう。米領サモアのサッカー代表が、過去にオーストラリアに大敗した。その雪辱を晴らすためにサッカー協会は世界中から監督を募集し、オランダ人監督を見つけ出してきた。

アマチュアばかりのサッカーチームを強くするには、意識を変えさせることと、強い選手を入れることが最も手っ取り早い。今回はアメリカに住む有望選手を呼び寄せチーム力を上げている。

監督の熱意がすばらしい。米領サモアの国がどこにあるのかわからないが、ヨーロッパからは遥遠くに離れていることは確実だろう。そんな僻地にやってきた監督。最初はお決まりどおり、文化の違いによる軋轢がある。ちょっとしたトラブルもある。

それらを乗り越えチームは強くなっていく。監督がミーティングで熱く語る内容がすばらしい。試合の前に、娘が事故で死んだ話をする。その絡みで後悔のない試合をしなければならないと熱く語る。選手の気持ちが高まるのが、画面から伝わってきた。

W杯予選で初勝利を手にするのか、それとも勝てずに終わるのか。虚構の作品ではないので、劇的な結末は期待していなかったのだが…。米領サモアという国が、今後サッカー強国になることはまずありえないだろう。それでも、世界のサッカーランキングのどの位置にいるかなんてことを気にしてしまうかもしれない。

プロが存在しない国のサッカー代表の選手たちは、金のためにプレーするわけではない。ただ情熱しかない。試合自体はひどいものだが、選手たちの熱量はプロと変わらない熱さがある。

米領サモアという国が存在していたことに驚いた。



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