ねこタクシー


 2016.4.29      竹山がオドオドとした運転手を好演 【ねこタクシー】

                     
映画版 ねこタクシー [ カンニング竹山 ]

■ヒトコト感想
うだつのあがらない元教師で今はタクシーの運転手である男が主人公の本作。主人公をカンニングの竹山が演じており、気の弱いオドオドとしたタクシー運転手となる。偶然タクシーに猫を乗せたことで、様々な影響があり、タクシーが人気になってくる。ただ、タクシーに猫を乗せるとなると、保健所などからクレームが入る。

基本は気の弱い男が家族たちになんだかんだとしいたげられながら、どうにか猫タクシーを実現するために奮闘するという話だ。男をバカにしていた家族や同僚が、男の真剣な思いに感化され変わっていく。その勢いは役所にまで伝染することになる。竹山が良い味をだしている。うだつのあがらない男の役をやらせるにはぴったりだ。

■ストーリー

間瀬垣勤、40歳。元教師。現在タクシー運転手だが、売上成績は万年最下位。家では妻にも娘にも頭が上がらない。そんな彼の前に現れた一匹の野良猫“御子神さん”。ふてぶてしく、何があってもマイペースな御子神さんのおかげで、彼自身も変わり始める。人付き合いが苦手な彼は、御子神さんを助手席に乗せて「ねこタクシー」を始めることを思いつくが…。

■感想
人付き合いが苦手な男がタクシーの運転手となり、売上成績は万年最下位。同僚からはバカにされ、いつ首を切られるかもわからない状態。そんな時、偶然猫の”御子神さん”と出会う。猫をタクシーに乗せ、猫好きな乗客を狙う。確かに良いアイデアかもしれない。

無口で人づきあいが苦手な男にとっては、まさに画期的なアイデアだったのだろう。それを同僚の女性にパクられまたたくまに話題となり、ついには役所の監査が入ることになる。気の弱い男のオドオドとした表情ばかりが強く印象に残っている。

役所の男は役人らしく、理路整然と正論を投げかけてくる。猫をタクシーに乗せて営業するためには様々な問題がある。普通にアイデアとして猫をタクシーに乗せるというのは良いと思う。が、それをやらないのは、それなりに高いハードルがあるからだろう。

営利目的で動物をあつかうには資格が必要らしい。モラル的にも、客引きのため猫をタクシーに乗せるというのは、問題があるのだろう。よく商店街の小さな店で客引きのように猫が店先にいる場合がある。あれは、ただ飼い猫がいるだけだから問題がないのだろう。

うだつのあがらない男が資格をとることを決断する。そこから家族関係や、同僚たちの目も変わってくる。しいたげられた男が変わっていくのは見ていて楽しくなる。竹山が絵に書いたような、大人しくてオドオドとしたダメな男を演じている。

薄くなった髪と小太りな風貌。そして、伏し目がちな視線。すべてがこのキャラクターを作り上げているのだろう。動物を取り扱う資格をとったとしても、そこで偉そうにするのではなく、あくまでも常に謙虚な姿勢をくずさない。このキャラは良い。

主演のキャラクターにより成立している作品だ。



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