ネブラスカ ふたりの心をつなぐ旅


 2015.12.26      哀愁ただよう親子の旅 【ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅】

                     


■ヒトコト感想

100万ドルをお支払します。なんていう詐欺に近い手紙を信じた男が、モンタナからネブラスカまで賞金を取りに行こうとする。インチキを信じ込んでしまったウディとそんな父親をほっとけないデイビッド。無駄だと気づきながらもウディの気が済むのならと車でネブラスカまで連れて行こうとするデイビッド。大酒飲みで何かと問題を起こすウディ。

デイビッドが道中、両親の過去を知る。少しボケ始めたような父親に対してデイビッドはどうすべきか悩む。両親の昔の仲間たちとの会話の中で、両親がどのような扱いを受けてきたのか。ウディが大金を手に入れるという噂が広まると、昔の仲間たちはこぞって金の無心にやってくる。そして、インチキだと知った時…、なんだか妙に哀愁漂う展開だ。

■ストーリー

“モンタナ州のウディ・グラント様 我々は貴殿に100万ドルをお支払い致します" 誰が見ても古典的でインチキな手紙をすっかり信じてしまったウディは、ネブラスカまで歩いてでも賞金を取りに行くと言ってきかない。大酒飲みで頑固なウディとは距離を置く息子のデイビッドだったが、そんな父親を見兼ね、骨折り損だと分かりながらも彼を車に乗せて、4州にわたる旅へ出る。途中に立ち寄ったウディの故郷で、デイビッドは想像もしなかった両親の過去と出会うのだが―。

■感想
100万ドルを支払います、というインチキな手紙を信じて金を受け取りに行こうとするウディ。見かねた息子が車を出すことで、ちょっとしたロードムービー的な流となる。いくら父親に対してインチキだと言っても、受け入れてもらえないデイビッドの悲しさが伝わってくる。

厄介な父親だと見放すこともできるが、ほっとけない。下手すると歩いてでもネブラスカへ向かおうとするウディ。父親を納得させるためだけにネブラスカへ向かうデイビッドの心は、同情すべき部分が多数ある。

ネブラスカの途中でウディの故郷へ立ち寄ることになる。そこで両親の過去を知るデイビッド。このあたりがデイビッドにとっては辛い状況だ。何かと従弟たちにはバカにされ、両親の過去の醜聞を聞かされることになる。両親がバカにされるのは辛い。

そして、何かと周りからないがしろにされてきたということも気づいてしまうデイビッド。ふとしたきっかけで、ウディが大金を手に入れるという話が周りに伝わってからが大変だ。インチキと知らず、その気になる周りの者たち。ついには金の無心にやってくる者まででてくる始末だ。

ウディの手紙がインチキと周りに知れ渡ってからは、非常に哀愁漂う展開となる。周りにバカにされるウディ。そしてあきらめるかと思いきや、ひとりっきりで歩き出すウディ。息子としては見捨てることができず、結局のところウディと共にネブラスカへ向かうことになる。

ラストの展開は非常に良い。なんだかんだと厄介な父親に対して、デイビッドは最後の最後にとてもすばらしい親孝行をする。インチキにだまされたウディをバカにして見捨てるのではなく別の答えを用意する。デイビッドは非常に良い息子だ。

全編白黒映像なのが、さらに哀愁を強めている。



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