モネ・ゲーム


 2017.5.4      良くわからない堂々とした態度 【モネ・ゲーム】

                     
モネ・ゲーム [ コリン・ファース ]
評価:3

■ヒトコト感想
巨匠モネの遺作「積みわら」をめぐる詐欺コメディ。美術鑑定士のハリーが億万長者から金をだまし取ろうと詐欺を企てる。ハリーに協力する絵の持ち主を演じるPJが良い。明るく自由奔放で騙すはずの億万長者と仲良くなってしまう。いけ好かない億万長者と、自由に金を使い続けるPJ.詐欺のリーダーであるハリーは経費ばかりが嵩み右往左往する。

ハリーの計画はいかにも穴だらけでうまくいくとは思えない。金欠の状態でPJに金持ちを演じさせるなど無理やり感がすごい。それでも前向きなハリーが、高級ホテル内で繰り広げるドタバタは最高だ。上半身はジャケットにネクタイ姿だが、下半身はパンツ一枚。さも堂々と歩く姿は、ホテルマンすら圧倒する威厳がある。

■ストーリー
印象派の巨匠モネ。その代表作「積みわら」の連作には、消えた1枚が存在した・・・。英国の美術鑑定士ハリー(コリン・ファース)は、その消息不明のモネの名画を使った大掛かりな贋作詐欺を企てる。完全犯罪に必要なのは、完壁な贋作と、持ち主を演じる美人の相棒PJ(キャメロン・ディアス)と、カモになる億万長者(アラン・リックマン)。

成功必至の計画だったが、相棒PJがその天然すぎる性格で、次々と計画を変えてしまう。全く想像もつかない怒涛の展開に焦るハリーも大暴走、贋作の鑑定を第三者に奪われるという大ピンチに!果たして、一発逆転なるか!?

■感想
モネの贋作を作り上げ、それを億万長者に買わせようとするハリー。協力者として、絵の持ち主役のPJが億万長者に近づいていく。ハリーがすでに最初から億万長者に嫌われているのが印象的だ。何かと邪険にされ、その昔年の恨みがハリーを詐欺へとかりたてる。

ハリーは真面目に詐欺を働こうとすればするほど、墓穴を掘っている。対してPJは自然体で億万長者に近づき、いつの間にか親密な関係となる。PJが次第に詐欺に懐疑的となりハリーをいさめ、ハリーはハリーで今までの経費を取り戻すため意地でも詐欺を成功させようとする。

ハリーのドタバタは最高だ。高級ホテルでPJたちに見つからないよう忍び込んだは良いが、ズボンをホテルの外の木にひっかけてしまう。そこからハリーは、下半身はパンツ一丁でひたすらホテル内を動き回る。

本来なら怪しげな風貌なのでホテルマンに捕まるはずが、ハリーの堂々とした態度にホテルマンたちが圧倒されている。この開き直り方がすごい。勝手に人の部屋に入り込み、さも部屋の主のようなリラックススタイルで堂々としている。ホテルから出る時も、パンツ一丁で堂々とでる。誰も何も言えないオーラがある

億万長者にモネの贋作を買わせる詐欺はどうなるのか。中盤までは失敗の可能性が高く、ラストの流れとしてもなぜかハリーが自分からこれは贋作だと暴露する。ハリーは億万長者に自分の真贋を見極める目を見直させようとしたのだと考えた。

実際にはハリーは想像の上をいっており、見事自分の当初の目的を果たすことになる。何も知らない億万長者と協力したPJは、ハリーの男らしい言動にハリーを見直すこととなる。すべてがうまくいき、そして最後の詐欺もすっきりとした気持ちで見ることができる。

ハリーの間抜けさと、良くわからない堂々とした態度がすごい。



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