土竜の唄


 2016.3.30      インパクト抜群のキャラクター 【土竜の唄】

                     
土竜の唄 潜入捜査官 REIJI スペシャル・エディション【Blu-ray】 [ 生田斗真 ]

■ヒトコト感想
原作マンガは知ってはいたが、その特徴的な絵柄で読むのをためらっていた。なんとなく内容は知っていたが、映画化され大成功したのではないだろうか。原作の要素を、わかりやすくギャグを織り交ぜながら楽しませてくれる。玲二のぶっ飛んだ行動は、いかにもマンガ的だ。キャラクターの個性がすさまじく、そんなバカな、という場面が目白押しだ。

まっとうなヤクザ映画ではない。とりあえず、潜入捜査官としてヤクザ組織に先入するというサスペンス的な要素はあるが、すべて荒唐無稽な展開にしている。キャラの個性とありえない展開。そして、予定調和的な流れ。ありきたりかもしれないが、キャラと作品の個性がすべてを凌駕している。

■ストーリー

元・交番勤務の巡査、菊川玲二(生田斗真)。正義感は人一倍強く、誰にも遠慮することなくハッキリ物を言う、気高い心意気を持つ男。そして童貞。ある日、署長より突然クビを言い渡され、犯罪組織に潜入してターゲットを挙げる潜入捜査官、通称<モグラ>となり、合成麻薬MDMAの密売ルートを暴くべく、関東一円を地盤とする武闘派暴力団組織・数寄矢会会長、轟周宝を挙げることを命じられる。

「童貞のまま・・・死んでたまるかっ! 」果たして、玲二は無事に轟周宝を挙げ、モグラとしての任務を果たすことができるのか・・・! ?

■感想
元巡査がヤクザ組織に潜入捜査官としてもぐりこむ。ダメ刑事だった玲二が、ヤクザとしてどのように立ち回るのか。最初にヤクザ組織に入り込むくだりがすでにマンガだ。正体不明の男をあっさりと兄弟分としてしまうのはやりすぎだろう。

そして、そこから本来ならダメダメなはずの玲二が、ピンチにおちいると突拍子もないことをやりはじめる。それが、ヤクザの世界では度胸があるだとか、活きが良いと思われ、気に入られてしまう。バカバカしい流れではあるが、それが面白い。

兄貴分のパピヨンと共に、ライバル組織と戦争になる。そこでもむちゃくちゃな展開となり、さらには潜入捜査官である玲二自身が全国の警察から追われることになる。むちゃくちゃな展開であり、玲二を送り込んだ警察組織も無責任なことこの上ない。

ただ、玲二は自業自得な部分もあり、さらにはむちゃくちゃな性格なので、すべてがありなのでは?と思えてしまう。間違いなくシリアスなヤクザ映画とは対極をなす物語だ。合間にはさまれるギャグも、なんだかわからないが妙に笑えてくる。キャスティングの効果も大きいのだろう。

ヤクザの抗争を終わらせるか、薬の売買の場を抑えれば、潜入捜査を辞めることができるはずだったが…。ラストの流れは明らかに続編を意識している。個性的でぶっとんだキャラクターを名優たちが面白おかしく演じる。

結構な大物がチョイ役として登場していたり、派手な演出でインパクトは抜群なので、映画としても売れるのだろう。そして、続編への期待は否が応でも高まってくる。玲二のキャラがなんでもありなので、むちゃくちゃなことをしてのし上がっていくのは既定路線なのだろう。

続編はぜひ見てみたい。



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