マラヴィータ


 2017.8.8      沸点の低いマフィアファミリー 【マラヴィータ】

                     
マラヴィータ [ ロバート・デ・ニーロ ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
元マフィアのフレッド家族が偽名を使って世界各地を隠れ家として転々とする。冒頭からワケありな一家という雰囲気があり、家族たちのそれぞれが妙なふてぶてしさをもってノルマンディーにやってくる。面白いのは、フレッドたちと地元民の考え方の違いだ。食生活の違いにより、ソースばかりを使う料理に嫌気がさすフレッド一家。ハンバーガーやポテトなどがっつりとしたものを食べたがる。

殺し屋から隠れて生活する身でありながら、フレッドは元マフィアらしく突発的な怒りを抑えることができない。FBIに守られている立場とはいえ、フレッドは何かとわがままに振る舞う。フレッドの妻や子供たちもフレッドの血を引いているのか、沸点が低く問題を起こしてまわる。この家族のドタバタ感が最高に面白い。

■ストーリー
フレッド・ブレイクは泣く子も黙る元マフィアで、家族ともどもFBIの証人保護プログラムを適用され、偽名を名乗って世界各地の隠れ家を転々としてきた。そんなワケあり一家はノルマンディーのコミュニティーに溶け込もうとするが、かんしゃく持ちのフレッドは事あるごとに昔の血が騒ぎ、妻マギーとふたりの子供も行く先々でトラブルを起こしてしまう。

やがてフレッドに積年の恨みを抱くマフィアのドンが、彼の居場所を突き止めて恐怖の殺し屋軍団を現地に派遣。かくして“ファミリー"VS.“ファミリー"の仁義なき壮絶バトルの火蓋が切られるのだった・・・!

■感想
元マフィア家族がFBIの証人保護プログラムでフランスに移住する。まずはファミリーがわけありな雰囲気をプンプンさせている。フレッドは古いタイプライターを見つけ出し、小説を書き始める。妻はスーパーに売られているモノに文句をつけ、さらには主婦たちがアメリカの食べ物をバカにするのを聞いて、スーパーを爆破してしまう。

この時点で、この家族はタダものではない雰囲気が漂っている。長女は転校した学校の生徒たちを見てマイナーリーグだとため息をつく。何かしでかす気満々の家族たちだ。

フレッドはFBIに監視されながら、ご近所さんたちと不自然にならないよう近所づきあいをする。元マフィアということで怒りの沸点が低い。何かあるとすぐに怒り、相手をぶちのめしてしまう。水道の蛇口をひねると茶色い水がでることに嫌気が差し、水道会社に乗り込んだりもする。

殺しはしないがまさに半殺しにするような感じだ。長女や長男は学校にバレないように好き勝手なことをする。息子のちょっとした宿題の回答から、フレッドファミリーを狙う勢力に気づかれてしまう。ここからの展開もすばらしい。

殺し屋たちに狙われるフレッドファミリー。マフィアの掟により家族が皆殺しにあうかと思いきや…。さすがマフィアの子なので、銃撃戦もおてのもの。逆に襲ってきた殺し屋たちを返り討ちにしてしまう。FBIをも巻き込んだ激しい戦いは、ある結末を迎える。

FBIの証人保護プログラムというのが、どの程度のものなのか。正体を隠してひっそりと生活するはずのフレッドファミリーだが、知らず知らずのうちに目立つことをやってしまうのは、マフィアファミリーの血が騒いだということなのだろう。

ファミリーたちのはちゃめちゃ具合が良い。



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