---

　2015.7.22 　　 　　強烈なナイフ投げ描写　【LOVERS】

---

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


■ヒトコト感想
映像的なインパクトはすさまじい。「飛刀門」という組織を撲滅させようと官吏が調査を始めることから始まる本作。金城武が良い味をだしている。目が不自由で飛刀門の娘と思われる小妹と反乱戦士のフリをした男の交流が描かれる。飛刀門という組織のため、ナイフの扱いがすばらしい。

激しい戦いでの様々なアングルから映し出される映像はすさまじい。それでいて、一番インパクトがあるのは、ナイフの描写だ。遠くからナイフをひと投げすると、それが相手に向かい、まるでリモコンでもついているかのように相手に突き刺さる。結局は気持ちを隠した三角関係のもつれという見方もできる本作。最後もナイフのひと投げで終わるのが印象的だ。

■ストーリー
西暦859年、唐代の中国で、朝廷は反乱軍最大の『飛刀門』撲滅を画策。官史の金と瀏に、指導者を10日以内に捕らえるように命ずる。飛刀門の娘と思われる小妹は目が不自由で、金は反乱戦士を装い小妹に接近。捕らえられた彼女を救出するふりして、敵のアジトまで導かせようと企むが、旅の途中でふたりの心はひかれあってしまう。

■感想
「飛刀門」は鮮やかな緑。官吏は青や紫。色により追う者と追われる者が明確になる。とりわけ、小妹の鮮やかな黄緑はすばらしく映えている。反乱戦士である金城武と共に逃亡する小妹。そこで追いかける者たちとの激しい対決がまっている。本作のメインはこの対決シーンにあるのだろう。

大量の敵に囲まれたとしても、巧みに逃げ切る二人。最後には、竹林に追い込まれ、そこで竹槍の攻撃にさらされることになる。誰が敵で誰が味方かがわからなくなる状態から、ラストに向けて関係性が明らかとなる。

「飛刀門」関連のナイフでの攻撃がすさまじい。狙ったところに、まるでリモコンでもついているかのように飛んでいく。仮に楯で防いだとしても、はじかれたナイフは再度襲いかかる。ナイフの達人たちの対決が特殊な映像で描かれると思わず見入ってしまう。

自分に向かってナイフが飛んでくると、同じく達人はそのナイフを弾き飛ばそうとナイフを投げる。それを見越して二つのナイフを重ねて投げ、必ずひとつが相手に到達するようにする。映像的なインパクトにより、ナイフでの激しい攻防がスリリングに描かれている。

強烈なインパクトがあるのは、間違いなくナイフでの戦いのシーンだが、それ以外にもある。あえて原色を用いてあざやかな衣装として、周りから浮き上がるように見えてくる人物たち。主要キャラクターたち以外はその他大勢ではあるが、それらも鮮やかな色合いがすばらしい。

そして、究極のラストが待ち構えている。最後はナイフでの戦いなのだが、三角関係の心情をそのまま描いたような流れがすばらしい。映像美とあいまって強烈に印象に残るラストとなっている。

まず映像の美しさに目を奪われるだろう。