2017.3.26 このオチの強引さが逆に新鮮だ 【ロスト・ボディ】
ロスト・ボディ [ ホセ・コロナド ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
ひとりの男が何かにおびえながら飛び出してきた。それは死体安置所から死体が動き出したからだ。ありえない展開からスタートし、ホラーの要素が強いかと思いきや…。消えた死体の夫であるアレックスの妻殺害事件をにおわす流れとなる。セレブな妻にバカにされ続けた男が、浮気相手と結婚するために妻を毒殺した。そのはずが、実は妻は生きており、夫と浮気相手に復讐するために動き出していた。
複雑なミステリーを連想する流れのまま、刑事がアレックスを追い込んでいく。アレックスさえも半信半疑となり、事件の全容はなかなか見えてこない。アレックス目線でのパートでも、妻の死体が消えた理由は解明できない。となると…。後半に全ての謎を解く、あっと驚くようなオチがまっている。
■ストーリー
ある男が、恐怖のためにパニックに陥り、トラックに轢かれてしまう。警察が現場に到着し、轢かれた男性は近くの死体安置所の警備員であることが判明する。死体安置所では、3号室からマイカという女性の死体が忽然と姿を消していた。
ハイメ警部は、失踪した死体の夫であるアレックスに連絡し、死体失踪事件の調査を開始する。ところが、その夜に付近を嵐が通過し、死体安置所は外界から隔離された状態になってしまう。そして、死体安置所では恐ろしい事件が起こり始める。
■感想
死んだはずの妻の死体がなくなり、死んだはずの妻が夫であるアレックスに復讐しようとする。そんな感じのホラー映画を想定していたが、中盤で大きく変化していく。アレックスが妻を殺そうとしていたこと。刑事たちはアレックスを疑い、アレックスが殺したような証拠が次々とでてくる。しかし、妻の死体はない。
アレックスは妻が実は生きており、死体安置所から逃げ出し自分たちに復讐しにくると怯える。刑事の推理とアレックスの推理が交錯する。どちらが正しいのか。お決まりパターンとしては、刑事が誤解しているのが定番だ。
アレックスは次々と妻が生きていることの証拠を見つけるが、それを刑事に見せようとすると、とたんに証拠がなくなっている。刑事たちの推理どうりに動き出す事件。後半になると、アレックスの心身が異常で、すべてはアレックスの幻覚なのでは?という流れさえも想像してしまう。
あいまに刑事の過去のトラウマについて映像が差しこまれ、これが事件とどのような関係があるのかは不明のまま物語は進んでいく。アレックスが証言する言葉がすべて信じられないほど裏目にでる。
ラストのオチは衝撃的だ。刑事に何か深い理由がありそうだが、まさにこの刑事がカギを握っていた。結末直前まで、アレックスが精神に異常をきたしていた、というオチを想定していた。それが、刑事の最後の告白で、すべては仕組まれていたことだと気づくアレックス。
ラストの展開は誰も想像できないだろう。ヒントは小出しにされていたが、結末に結び付ける人はいない。それほど無理やり感の強い流れというのはあるのだが、驚くことは間違いない。この強引さを新鮮に感じてしまった。
このオチを想定できる人はいないだろう。
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