リトル・マエストラ


 2018.2.18      カチコチの指揮者 【リトル・マエストラ】

                     
リトル・マエストラ [ 有村架純 ]
評価:2

■ヒトコト感想
人口減少に悩む過疎の港町。アマチュアオーケストラの指揮者が急死したことで、過疎の町のアマチュアオーケストラに危機が訪れる。代理の指揮者を探すと、旧指揮者の孫娘である女子高生の美咲が候補となった。天才指揮者に指揮してもらえると喜ぶアマチュアオーケストラの面々だが…。

まず港町の漁師のおじさんおばさんたちが、趣味でバイオリンやトランペット、ホルンを演奏する。指揮者不在が、そのまま町の財源削減となりオーケストラの存続が危ぶまれる。美咲の正体が判明したり、オーケストラ内部での反感や分裂あり、そして最後はみなが協力してコンクールに出ようとする。なんだか中途半端に青春しているのが、はまりこめない要因なのだろう。

■ストーリー
漁獲量も落ち過疎化が進む港町。アマチュアだけど数十年活動を続けているオーケストラがあった。世界的指揮者オルフェンシュタインの日本人弟子だったという老指揮者・吉川のもと、コンクールを目指し、日々練習に励む町の人々からなるメンバーたち。

ところが吉川が急死、急遽代理の指揮者を探さなければならなくなる。白羽の矢がたったのは、吉川の孫娘・女子高生の美咲だった…! マエストラ出現! と町の人々は大喜びだが、実は美咲には秘密があった。

■感想
アマチュアオーケストラに危機が訪れる。指揮者が急死したことで、オーケストラは存続の危機となる。そこで白羽の矢が立ったのは指揮者の孫娘の美咲だ。天才指揮者のふれこみで町にやってきたのだが…。実際には天才指揮者でもなんでもなかった。

アマチュアオーケストラであれば、素人に毛が生えたレベルで問題ないはずだ。それが美咲に騙されていたと知ると、町民たちは怒り始める。このあたり、本人の実力とは別に、権威や肩書だけに興味があるということなのだろう。

美咲は高校の部活でトラブルを起こしていた。ある意味美咲が逃げ込んだ先がアマチュアオーケストラの場なのだろう。漁師のオジサンたちの演奏に対してアドバイスし、おばさんたちの演奏を修正する。決してレベルが高いとはいえないオーケストラを、美咲は必死に立て直そうとする。

そんな状況で、オーケストラ内部でのごたごたも発生する。アマチュアなので、みな仕事がある。趣味でやるレベルがどこまでなのかは、人によって大きく変わってくる。この熱量の違いが、物語の面白さへと繋がるのだろう。

よくある青春モノに近い。ダメなオーケストラが皆で協力してコンクールに出場する。コンクールで入賞するだとか、そのあたりを目標にしているわけではない。ラストはなんだかよくわからない、メンバーのひとりの部活に対する考え方とリンクするような形でオーケストラが変化していく。

最後の最後でコンクールを抜け出し、仲間を応援に向かう。そして、客席で演奏する。本来なら感動する場面のはずだが、まったくといっていいほど感動しなかった。それは、それまでの積み上げがまったくないからだろう。

指揮者の指揮も、なんとなくだが固いような気がした。



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