クリスティーン 下 スティーヴン・キング


 2016.10.29      自ら修復する呪いの車の恐怖 【クリスティーン 下】

                     

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■ヒトコト感想
上巻でのクリスティーンの恐ろしい行為の数々に気付いた者たちがいる。何者かがクリスティーンの秘密を暴き、正体を解明するのか。それとも、クリスティーンの思うがままに殺されていくのか。アーニーはすでにクリスティーンの操り人形と化している。親友のデニスがアーニーの元恋人のリーと共にクリスティーンの破壊工作を行うことになる。

クリスティーンの恐ろしさは犯罪が巧妙だということだ。持ち主であるアーニーに嫌疑がかからないよう、アーニーに完璧なアリバイがある時だけ殺人を決行する。クリスティーンの恐ろしげな正体と、デニスがどのようにしてクリスティーンを破壊するのか。もはやアーニーを救うのは難しいと思われる流れの中で、どのような結末を迎えるのか。気になるところだ。

■ストーリー
クリスティーンの周辺では次々に血腥い事件が起きた。アーニーやクリスティーンを傷つけた者は、無残な死を遂げた。アーニーは顔付きも性格もすっかり変り、親友のデニスは何とか彼をクリスティーンから引き離そうとするが、逆にクリスティーンから命を狙われるようになった。みずみずしいティーンエイジャーの日常生活を背景に、まがまがしい恐怖を余すところなく描ききった長編。

■感想
上巻ではアーニーがクリスティーンに魅せられ、虜になり、さらにはクリスティーンの恐ろしさが描かれている。下巻ではクリスティーンはさらにエスカレートし、アーニーの敵となる者たちをすべて排除しようとする。クリスティーンの謎に気付き始めた人物もまたターゲットにされる。

親友のデニスと、アーニーと別れた元恋人のリーは、クリスティーンの秘密に気付き始めている。デニスとリーが恋人関係となると、そこからアーニーの怒りの矛先は二人に向かうことになる。

アーニー家族もまた、強烈な状況に追い込まれる。父親はクリスティーンの異常さに気付きながらも何もできない。母親はアーニーが少しでも大学に行く気になれば、あとはどうでもよくなっている。デニスとリーだけがクリスティーンの危険性に気付き、破壊しようとする。

クリスティーンの恐ろしさは、どれだけ自分がダメージを受けたとしても、瞬く間に自らを修復してしまうことだ。どれだけボロボロになろうとも、相手を殲滅することだけを考え向かってくる恐怖の車。これほど恐ろしい車はない。

結末間近では、クリスティーンの秘密が語られている。この恐怖の状況を回避するために、デニスとリーが用意した作戦はとんでもないものだ。クリスティーンをつぶすためには、何倍もの重量を持つ車を用意するしかない。意思を持ち殺戮マシーンと化したクリスティーンと対決する二人。

アーニー不在のまま、決着がつき、もしかしたらアーニー絡みで続きがあるのでは?と思ったが、アーニーは別の結末を迎えていた。クリスティーンに取りつかれた男は、クリスティーンが破壊されるとその人生も終えるということなのだろうか。

車自身が自然治癒力をもつなんてのは、夢の車のように思えてしまう。



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