クラウドアトラス


 2016.4.11      6つの時代が複雑に交錯 【クラウドアトラス】

                     
クラウド アトラス【Blu-ray】 [ トム・ハンクス ]

■ヒトコト感想
複数の時代を描いた作品。500年にわたる物語。それぞれで繋がりがあるようだが、すぐにはわからない。過去、現在、未来へと繋がる物語。それぞれの時代の物語に主要人物は形を変えて登場してくる。注意して見なければ見逃してしまうだろう。もっとも印象的なのは、未来を描いたクローン少女と革命の話だ。いかにもマトリックス的な世界で、クローン少女が世界を変えるという物語だ。

次の時代ではクローン少女が神のように崇められている。時代が目まぐるしく変わるため、集中して見る必要がある。時代の繋がりもそうだが、意味ありげなところで物語が切れるのもポイントだろう。結局のところ何が言いたいのかよくわからない、というのが正直な感想かもしれない。

■ストーリー

舞台は、19世紀から24世紀。過去・現在・未来にまたがる500年の間、6つの時代と場所で、6つの人生を生きる男がいた。始まりは悪人だが、様々な数奇な経験を経て、やがて世界を救う偉大な人物へと魂が成長していく…。それぞれのエピソードが、一見アトランダムな流れに見えて、実は後に一つに繋がる圧倒的なストーリー。

■感想
最も過去の物語として、波乱に満ちた航海の物語がある。弁護士が奴隷に命を助けられたことにより、奴隷制度に異議を唱えることになる。奴隷商人である義父に反抗してでも、自分の信念を貫き通す弁護士。特別な物語ではないが、黒人奴隷をなんとかして助けようとする流れがすばらしい。

黒人が航海に役立つ人材だとアピールする場面は、思わず目を奪われてしまう。その後の時代では、弁護士の航海日誌が登場し、それを読むことを楽しみとする描写がある。微かだが、時代の繋がりを意識できる部分だ。

未来を描いたクローン少女と革命の物語は衝撃的だ。まずクローン少女ソンミの生い立ちというか、クローンの成り立ちが衝撃だ。ただ、給仕をするためだけに生まれた少女。そして、勤めを果たしたあかつきには自由を手にすることができるのだが…。

ソンミが革命を起こすまでが描かれている。近未来の映像は、まさにマトリックスの世界のようだ。クローンの衝撃と、ソンミと革命軍の行動は手に汗握るアクションだ。そしてソンミたちの革命は失敗したかに見えたのだが…。

最後の時代は、一見するとかなり原始的なように見える。が、実は文明が崩壊したあとの地球らしいということがわかる。そして、原始的な生活の中に、一部では高い文明をもつと思われる流れも存在する。さらにはソンミの銅像があり、それを人々が崇めているなど、他の時代との繋がりを感じさせる場面もある。

ただ、この時代にどのような意味があり、どういった結末となるのかは正直よくわからなかった。それぞれの時代についての面白さに差がある。トータルとして、何か大きな意味があるのかはよくわからないというのが正直ところだ。

複雑なつながりを理解することで、楽しみが生まれるのだろう。



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