雲のむこう、約束の場所


 2017.1.4      エヴァの二番煎じ的わかりにくさ 【雲のむこう、約束の場所】

                     


■ヒトコト感想
よくわからないと言えば良いのだろうか。戦後日本が南北に分断された世界。北海道に建設された謎の塔が並行宇宙を観測する目的で建てられ、塔と眠り続ける少女を救う物語。話が小難しく、全体的に陰鬱な雰囲気となっている。場面展開がぶつ切りで、少女の夢の世界と現実が入り混じるため状況を把握しづらい。何より話が良くわからないのが強く印象に残った。

並行宇宙により未来が予測できる。そのための塔だということはわかり、少女が並行宇宙にアクセスすることもわかった。が、戦争の目的や最終的にどうなったかなど、理解できなかった。どことなくエヴァの雰囲気があり、明確な敵がでてこないエヴァンゲリオンという感じだろうか。

■ストーリー
原因不明の覚醒障害を発病した少女を救おうと奮闘する2人の少年の姿を描く長編アニメーション。日本が南北に分断された、もう一つの戦後の世界。米軍統治下の青森の少年・藤沢ヒロキと白川タクヤは、同級生の沢渡サユリに憧れていた。彼らが見つめる先は彼女と津軽海峡を走る国境線の向こう側、北海道に建設された謎の巨大な“塔”。いつか自分たちの力であの“塔”まで飛ぼうと小型飛行機を組み立てるが…。

■感想
最初はごく普通の少女と男二人のちょっとした恋愛物語かと思っていた。それが、並行宇宙の話が登場してくると、よくわからなくなる。少女が特殊な能力をもち、並行宇宙にアクセスできるのはわかった。が、塔とどのような関係があり、なぜ塔を破壊すると少女が目覚めるのかも意味不明だ。

南北に分断された日本で何やら敵対する組織と戦いながら塔を破壊しようとする主人公たち。少女を目覚めさせるために必死の行動だが、その時少女は夢の世界にいた。少女の夢と現実が入り混じるため、状況の整理に頭を使う必要がある。

映像や雰囲気がエヴァンゲリオンにそっくりだ。特に司令室での緊急事態の描写や、並行宇宙を観測する場面など、まさにエヴァの使徒が登場する場面とそっくりだ。登場人物たちの、どこか静かで内省的な雰囲気もエヴァに近い。何かしら秘密組織が裏で動き回り、ひそかにテロを企てるなども近い。

並行宇宙が謎なだけに、どうなるかわかならい雰囲気も近い。ただ、使徒という明確な敵がいたエヴァと比べると、本作には敵の姿が見えない、が危機は迫っているという非常にわかりにくい状況だ。

ラストの展開はどうにもしっくりこない。少女を眠りから目覚めさせるために塔を破壊しようとする。そもそも塔を破壊しなければ世界は並行宇宙に覆われてしまうらしいのだが…。少女と少年たちの象徴的場面が登場し、それが約束の場所ということなのだろう。

ストーリーが小難しくわかりにくい。並行宇宙というのが結局のところ最後までよくわからないまま終わっている。そもそも南北に日本が分断された時代という雰囲気を感じない。戦闘描写を作りたいからその設定にしたのだろうか。

自分には小難しすぎて、エヴァの二番煎じのようにしか見えなかった。



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