くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ


 2017.12.28      水彩画のような特徴的な絵柄 【くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ】

                     
くまのアーネストおじさんとセレスティーヌ [ ガブリエル・ヴァンサン ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
絵本がそのままアニメになったような作品だ。独特の絵柄が可愛らしい雰囲気をかもしだす。ただ、絵本がベースにあるとしても内容はそれなりに大人向けだ。くまの世界と、地下にあるネズミの世界。ネズミからすると、くまは怖い存在だが、セレスティーヌはくまのアーネストと仲良くなってしまう。勝気なセレスティーヌとアーネスト。

注目すべきは、セレスティーヌのネズミの世界は、歯を第一に考え、くまの抜けた歯を拾い集めることが重用な仕事となる。くまの世界とネズミの世界の両方に独自の社会が築き上げられており、アーネストとセレスティーンはそれぞれの警察に追われることになる。そして、裁判になる。決して子供向けの内容ではない

■ストーリー
ずんぐり太ったくまのアーネストおじさん。音楽家の彼は、ある日おなかをすかせてゴミ箱をあさっていた。そこでみつけたのはかわいいねずみの女の子セレスティーヌ。彼女は、アーネストにお菓子屋さんの倉庫にもぐりこむ道を教えてあげる。ふたりの間にはふしぎで、あたたかく、恋人のような親子のような友情が芽生え、おたがいが大事な存在になっていく。

■感想
くまのアーネストは音楽家で常に腹を空かせている。ひょんなことからネズミのセレスティーヌと仲良くなり、その後、ふたりで行動することに。くまの社会もネズミの社会もほぼ人間と同じように警察が存在し、社会として成り立っている。

くまとネズミとなってはいるが、ほぼ人間社会と変わらない。アーネストが近所の店に食べ物を盗みに入ると、それだけで警察から指名手配されてしまう。セレスティーヌはアーネストが歯医者から盗んだ歯を大量にネズミの社会に持ち込むが、くまをネズミの社会に連れてきたということで、警察に追われることになる。

アーネストとセレスティーヌがそれぞれの警察から追われ、結局あべこべに別の警察に囚われることになる。ネズミがくまの檻に入れられ、くまがネズミの檻に入れられる。そして、それぞれで裁判まで受けることに…。

絵柄が水彩画のように綺麗な感じで絵本的ではあるが、内容は大人向けだ。くまの社会とネズミの社会の違いや、社会に対する不満など、子供が見てもよく理解できないだろう。元ネタの絵本はまったく知らないが、絵本へと繋がるような流れとなっているのだろう。

アカデミー賞にノミネートされたのは、絵柄の美しさと内容が大人の鑑賞に堪えられるからだろう。子供には難しすぎるが、大人には物足りないという、ちょっと中途半端な感じかもしれない。くまのアーネストと適当な感じとネズミのセレスティーヌの強きなキャラクターが特徴的だ。

アーネストが楽器を奏で、セレスティーヌが絵を描く。くまとネズミは本来敵対する関係にあるはずが、まるで恋人のようにふたりは仲睦まじくなる。絵柄の雰囲気からすると、警察や裁判の流れというのは意外でしかない。

絵柄のすばらしさがインパクト抜群だ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp