傷だらけの男たち


 2015.1.25      二大スター共演が売り 【傷だらけの男たち】

                     


■ヒトコト感想

トニー・レオン、金城武という二大スターが共演した本作。警察の上司部下の関係だったヘイとポン。ポンは恋人が自殺したことから警察を辞め、私立探偵となる。金城武演じるポンは、ありがちな役柄だ。ヘイは良い元上司としてポンに接し、大富豪の娘と幸せな結婚をする。

物語は、ヘイの義理の父親が殺されることからミステリアスな展開へと繋がるかと思いきや…、観衆は誰が犯人かすべてわかっている。なぜ犯人はそんな行動にでたのか、サスペンスとしての魅力はある。ただ、登場人物たちは、みなどこか心を病んでいるように思えてしまう。アル中へまっしぐらと思われたポンが最後には一番まともに見えてしまうのが皮肉だ。

■ストーリー

恋人の自殺がキッカケでアルコール依存症となり、警察を辞職して私立探偵になったポン(金城武)。そんな彼のもとに警察の時に上司だったヘイ(トニー・レオン)の妻スクツァンから捜査の依頼が。実はスクツァンの父親チャウは億万長者なのだが、その父親が自宅で惨殺され、その死に不審な点があるというのだ

。しかしそのことに夫のヘイは今ひとつ関心を示してくれないというのだ。一方、ヘイはヘイで誰にもいえぬ秘密があった……。やがて捜査を開始したポンは事件の背後にはとんでもない過去の出来事があったと知る。

■感想
私立探偵のポンは、ヘイの奥さんに依頼されヘイの義理の父親であるチャウ殺人事件を調査することになる。ポンには常に恋人が自殺したことのトラウマが付きまとう。アル中でフラフラと歩きまわるポンに、探偵としての能力があるかは疑問だが、最初からヘイに対してなんらかの疑いを抱いている。

物語はヘイとポンの関係に焦点があてられている。お互いがお互いを尊重し合ってはいるが、ヘイの怪しげな行動が気になるポン。観衆はヘイがなぜそのような行動をするのか、目的のわからない不安感に襲われることになる。

金城武が、よく見る金城武的な演技をしている。トニー・レオンはキャラが様変わりするが、金城武はいつもちょっとうらぶれた役のイメージがある。本作でも、ダメ男的でありながら大事な時にはしっかりとした働きをする。女にモテるが、女に対して失礼な扱いばかりする。

イケメンでありちょっとアウトローな雰囲気は、キャラとして作りやすいのだろう。対してトニー・レオンは、何を考えているのかわからない表情がすばらしい。新婚で幸せのはずが、常に何か悩みを抱えているような表情をしている。

本作は、最後の最後までヘイ以外の犯人を想定してしまう。冒頭からヘイがチャウ殺害に関わっていると思われる映像が映し出され、それらしき伏線も多数用意されている。このままヘイが犯人というのはあまりにひねりがないのでは?と思ったが…。

ヘイの動機が本作のメインなのだろう。なぜチャウを殺したのか。ヘイがチャウを殺すに十分な動機があることを観衆に知らしめるため、複雑な謎を張りめぐらしている。確かにポンが解明した謎は驚きだ。

二大スター共演が売りなのだろう。



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