奇跡のシンフォニー


 2017.10.23      天才少年のシンデレラストーリー 【奇跡のシンフォニー】

                     
奇跡のシンフォニー [ フレディ・ハイモア ]
評価:3

■ヒトコト感想
両親を知らず施設で生活してきた少年の物語。この少年がとんでもない音楽の才能があり、人々の歩く靴の音や雑音から素晴らしい音楽を見つけ出す。この少年の才能に周りが気づいていく物語なのだが、メインは別にある。少年の両親が出会い、一夜を共にし、その後別れ、離れ離れとなる。

少年と両親それぞれがバラバラだが、音楽に触れることでいつの間にか3人が同じ場所に集うことになる。少年の才能に周りが驚き、とんとん拍子にジュリアード音楽院にまで入学してしまうのが面白い。楽譜はまともに読めないが素晴らしい音楽を作り上げる。まさに天才とは少年のような存在を言うのだろう。ラストは両親と出会い強烈な感動が待っている。

■ストーリー
11年と16日、施設で孤独な日々を耐えていた少年。「パパとママに会いたい-」その想いだけを胸にNYへやって来た。何ひとつ手がかりがないまま、両親を探し続ける毎日。しかし、その旅の途中で出会う人々、生まれて初めて手にした楽器の数々が彼の運命を変える。彼はストリートで無心にギターをかき鳴らし、あふれる両親への愛を音符に託し続ける。必ずこの音は、この世界のどこかにいるふたりに届くと信じて・・・

■感想
両親に会いたいがためにNYへやってきた孤独な少年。実は途轍もない音楽の才能があったが、それに気づくことなく日々を生活する。少年の音楽の才能は両親譲りという流れなのだろう。父親は人気バンドのボーカルだったが今は真面目な会社員となる。

母親は有名な演奏家となる。それぞれが別の道を歩んでいる。まず最初に両親が出会い恋に落ちるエピソードが語られている。ただ、それは一夜だけのことであり、そこから離れ離れになったことが、少年がひとりになる大きな要因だったという流れだ。

少年はNYで開花する。最初はストリートで演奏する程度だが、とんとん拍子にその才能に気づく人が現れ、いつの間にかジュリアード音楽院に入学させられたりもする。楽譜すらまともに読めないのだが、つむぎだす音楽はすさまじい。

音楽院の授業でもとんでもない才能を発揮し、ついには自分で曲を作り指揮者として演奏しようとする。とてつもない成長具合だ。すべてが才能で片づけられるとは思えず、ある意味誇張しすぎている。それでも、少年の成長にはとんでもないワクワク感がある。

両親と少年はバラバラではあったが、音楽に引き寄せられるように一カ所に集まることになる。途中、お互いの素性を知らずに出会うこともある。運命というか、ひとつの流れとして最後はハッピーエンドになるのだろうと想像はできる。

両親のエピソードは正直ありきたりすぎて面白味がない。無垢な表情をした少年が、すばらしい音楽を奏で、周りの大人たちがその才能におののく。この場面が最高に気持ちが高まってくる。ある意味少年のシンデレラストーリーと言えるだろう。

楽譜は読めないが素晴らしい音楽を奏でる天才少年だ。



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