キラー・エリート


 2015.3.17      ジェイソン・ステイサムは適役すぎる 【キラー・エリート】

                     


■ヒトコト感想

ジェイソン・ステイサムがいつものイメージのまま、凄腕の殺し屋ダニーを演じている。すでにおなじみすぎる配役ではあるが、今回は一度引退を決意したところに、無理やりやりたくもない殺しに駆り出される形だ。囚われた仲間を助けるため、元イギリスの特殊部隊(SAS)のメンバーを暗殺する。オマーン族の、息子を殺された復讐への執念と、元SASと対決することの困難さがポイントだろう。

ダニーら暗殺の傭兵たちと、元SAS隊員を守る組織。実話ということになってはいるが、これが実話であればかなり強烈だ。事故死に見せかけSAS隊員たちを殺していく。仮にも元特殊部隊員なだけに、そう簡単に暗殺はできない。ダニーの困難な任務にひるまないその胆力がすばらしい。

■ストーリー

殺し屋のダニーは、殺しの目撃者である10歳の少年に向かって引き金を引くことがどうしてもできず、自分の限界を感じ足を洗う。1年後オーストラリアの農場で恋人と静かに暮らしていたダニーの元に、相棒であったハンターが危険な仕事に失敗し、捕虜となっていると知らせが届き…。

■感想
殺し屋を引退したダニーが仲間を助けるために、望まない暗殺を繰り返す。相手は元SAS。オマーン族の王の恨みを晴らすための暗殺だ。まず、このオマーン族に得体の知れない恐ろしさがある。ダニーの元相棒を捕らえ、助けたければ息子の殺害に関わったSASたちを殺せと言う。それも証拠つきで。

かなり困難な任務だ。ダニーたち暗殺傭兵部隊が元SASと対決する。ダニーのプロフェッショナルな部分は、ジェイソンステイサムのいつもの雰囲気そのままにすばらしい。対する元SASを守る謎の組織も、負けずに強烈な個性を放っている。

殺しの傭兵部隊対エリート特殊部隊。狙われる側が不利なのは当然としても、ほぼすべてでダニーたちの想定どおりの結果となっている。ただ、途中で、ダニーたちの正体がばれかけたりもする。プロ同士の戦いというのは、一瞬の気の緩みも許されない

ダニーは仲間がやられたとしても、サラリと受け流し、自分の元相棒を助けるために行動する。元SAS隊員たちを守る側であるスパイクとの対決は見ものだ。スパイクは、あっさりやられるような脇役の風貌ではない。明らかに重要なキャラクターの位置づけだ。

本作はすべて実話らしい。自分が暗殺されかけたことを題材に本として出版されているらしい。本作を見ると、実話とは到底思えない。暗殺とわからずにターゲットを始末するその手段が特殊すぎる。タンクローリーを遠隔操作し、ターゲットを事故死させるなんてことができるのだろうか。

元SASがオマーン族に対して行ったことは、もしかしたら事実かもしれない。実話かどうかはさておき、相変わらずジェイソンステイサムの殺し屋としての演技は抜群だ。飽きることがないというか、この手の役以外は逆に違和感ありすぎるような気がする。

実話かどうかはさておき、プロ同士の戦いは緊迫感にあふれている。



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