キック・オーバー


 2016.12.19      刑務所内に街がある無法地帯 【キック・オーバー】

                     


■ヒトコト感想
マフィアから金を強奪し逃走中に下手を打ったドライバー。メキシコの刑務所へ入れられるのだが、そこは無法地帯だった。アメリカの刑務所は日本と比べると自由な印象があるが、本作の刑務所エル・プエプリートは常識外だ。刑務所内部に店があり、ドラックまで売られている。家族を呼び寄せて刑務所で生活したり、悪徳署長や警察の緩い圧力もある。

刑務所を支配する男は、自由気ままに美女をはべらせ生活する。金さえあればどうにでもなる、外の世界と変わらない刑務所がそこにある。新入りのドライバーは自分の能力をいかし金を手に入れるのだが…。刑務所内で権力者に肝臓を狙われる子供や、ドライバーを目の仇にする男など、ハラハラドキドキの刑務所生活はすさまじい面白さがある。

■ストーリー
史上最悪の刑務所から、奪った金を取り戻し、脱獄せよ! マフィアから大金を強奪した通称“ドライバー"(メル・ギブソン)は、アメリカからメキシコへと国境を越えて逃亡を図るが失敗。逮捕され送還された先は史上最悪の刑務所“エル・プエブリート"。

常識もモラルも通用しない世界で、凶悪な囚人、マフィア、悪徳所長、地元警察、など有象無象の輩を敵に回す。狙いはもちろん、盗んだ大金の奪還! 果たして彼は大金を取り戻し、脱獄することが出来るのか!

■感想
メキシコの刑務所はここまで無法地帯なのだろうか。高い塀に囲まれ警備員が銃をもっているのだが、内部はただの雑多な街でしかない。囚人たちは金を持ち商売をし、家族をよびよせる。ルールはほぼないに等しいが、外にでることはできない。

警察や所長ぐるみの腐った幹部たちによるなんでもありな刑務所。刑務所の権力者は、自分へ肝臓移植するためだけに子供を刑務所内に匿っている。ドライバーは収監されてからいち早く状況を悟り、自分の能力を活かし金を手に入れ寝床を確保する。

ドライバーの臨機応変な動きにしびれてしまう。周りに頼るものが何もない状況から、少しずつ味方を作り状況を把握し、自分がマフィアから強奪した金を取り戻そうとする。肝臓を提供するためだけに生かされた子供との交流や、権力者たちを相手取り臨機応変に動き回る様がすさまじい。

ドライバーは絶体絶命のピンチに直面したとしても、決してあきらめることなく事態を打開してしまう。自分が奪った大金を見つけ出すために、権力者たちと交渉し期限付きで刑務所を脱出してしまう。

ドライバーはあらゆる場面で命の危険にさらされるが、すべて乗り越えてしまう。刑務所内でドライバーが奪った大金が元で激しい銃撃戦が繰り広げられる。となると政府としては刑務所を厳しく取り締まるしかない。無法地帯であった刑務所内に警察の特殊部隊が入り込む。

権力者たちは逃げ出そうとしたり、肝臓移植を急いだしもする。なんだかむちゃくちゃな展開だ。メキシコの刑務所がここまで無法地帯だとは思わないが、日本の刑務所と比べるとはるかに緩いアメリカの刑務所を見ると、ありえるのでは?と思ってしまう。

無法地帯で臨機応変に立ち回るドライバーはすばらしい。



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