賢く生きる恋のレシピ


 2017.3.25      頭が良すぎる父親と娘 【賢く生きる恋のレシピ】

                     
賢く生きる恋のレシピ [DVD]
評価:3

■ヒトコト感想
大学教授の男が恋をする。妻に先立たれた堅物な男が、偶然出会った教え子の女医と恋愛をする物語。ただ、男には秀才の娘とダメ男で居候しにやってきた弟がいた。大学教授のローレンスが女子のジャネットと恋をする。堅物なローレンスは、デートの会話でひたすら自分の研究の話や学部長選挙の話しかしない。かなり癖のある人物だ。

娘のヴァネッサは頭が良く秀才で、父親が学部長選挙中に女にうつつをぬかしていることに皮肉を言う。ヴァネッサが普通の高校生とは違い、理路整然としており親が心配するような行動をいっさいとらない。が、何かと皮肉が多く、頭が良いだけに厳しい言葉を相手にぶつけている。ローレンスの弟であるチャックだけが、人間味のあるダメ男だ。

■ストーリー
ピッツバーグに住む大学教授ローレンス(デニス・クエイド)は妻に先立たれた事をずっと引きずっていた。ある日彼はちょっとした不注意により、事故で入院してしまう。次の日、大学に入る為の検定試験の準備をしている秀才で皮肉屋の娘ヴァネッサ(エレン・ペイジ)の見舞いをよそに、ローレンスは魅力的な医者ジャネット(サラ・ジェシカ・パーカー)と意気投合する。

そして、彼が無事退院し家に戻ると、そこにはなんと養子の弟チャック(トーマス・ヘイデン・チャーチ)の姿が。金がなく、居候しにやってきた"超"迷惑者のチャックと、更にはジャネットまで加わり、”利口な人々“にとって頭のイタイ日々が始まるのだった・・・。

■感想
ローレンスと女医のジャネットの恋愛を快く思わないヴァネッサ。父親の恋愛に否定的な娘というのはありがちなパターンだが、本作ではヴァネッサは学部長選挙の時期にというのが気に入らないらしい。居候のチャックは自由な生活をし、死んだローレンスの妻の服を勝手に着たりもする。

ローレンスが堅物であり、自分のことしか考えない自己中男で、恋愛には向いていないタイプなのは間違いない。元教え子であるジャネットのことをすっかり忘れ、デートでは自分の専門的な話ばかりをくりかえす。確かに付き合いずらいタイプだ。

娘のヴァネッサはらしいというか、しっかりと自分の将来を見据えた高校生だ。普通に考えれば勉強せずに親に心配をかける高校生のはずが、ヴァネッサはまったくそんなことはない。自分で勉強し良い大学へ合格する。そして、父親が学部長試験や本の執筆に力を入れることを望んでいる。

ジャネットとの付き合いについては、死んだ母親のこともあるのであまり賛成はしていない。ある意味、非の打ちどころのない良い娘なのだが、皮肉屋で扱いずらいのは間違いないだろう。ローレンスの弟のチャックとは大違いだ。

勉強ができる家庭に居候としてやってきたのはダメ男のチャックだ。兄にたかりにきたチャック。ヴァネッサやローレンスからうとまれつつも、まったく気にせず居座る。ただ、このチャックがいることで、無機質な家庭の中に変化がでてくる。

チャックの、のほほんとした感じが良い。ローレンスやヴァネッサはどこか頭の良い人独特の近寄りがたい雰囲気がある。ジャネットがなぜローレンスを選んだのか不思議になるほど、ローレンスは典型的な厳しい堅物の大学教授だ。

賢い娘と賢い父親。最後はまるくおさまっているのが良い。



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