カルテット!人生のオペラハウス


 2017.11.27      音楽家たちの老人ホーム 【カルテット!人生のオペラハウス】

                     
カルテット!人生のオペラハウス [ マギー・スミス ]
評価:3

■ヒトコト感想
音楽家たちが集まる老人ホーム。当然、ホーム内は音楽にあふれている。老人たちの音楽に囲まれた穏やかな生活に、大スターのジーンが入居したことでホーム内で騒動が巻き起こる。老人たちは昔を思い出しながらアカペラで歌ったり楽器を演奏したり、定期的なコンサートを開いたりもする。ジーンが入居したことで伝説的なカルテット(四重奏)をコンサートで発表しようというウィルス。

ただ、そこでもプライドの高いジーンは、衰えた自分の歌声を観衆に披露したくないと駄々をこねる。過去の栄光に縛られたジーンと、過去は関係なく今を楽しむために必死になるウィルスやレジーなどの仲間たち。皆で協力してひとつのことをやり遂げるタイプの老人版といった感じだろうか。

■ストーリー
引退した音楽家たちが暮らす「ビーチャム・ハウス」では、近く開かれる重要なコンサートの準備に追われていた。そこで穏やかに余生を送るレジー、シシー、ウィルフ。ところが、昔、野心とエゴで皆を傷つけ去っていったカルテット(四重奏)仲間で、大スターのジーンが新たな入居者としてやってきた。しかもれ時―とジーンはかつて“9時間だけ"夫婦だった。

コンサートが成功しなければハウス閉鎖という危機を迎え、誰もが伝説のカルテット復活に期待を寄せるが、過去の栄光に縛られたジーンは歌を封印――。果たして伝説のカルテットは再結成なるのか、そして4人の歌声が起こす奇跡とは! ?

■感想
引退した音楽家ばかりが集まる老人ホーム。そこは優雅で音楽にあふれ、仲間同士でオペラや楽器の演奏など自由気ままな生活をしている。設備などを見てもかなり裕福で、入居には莫大な費用がかかることは想像できる。

恐らくだがこのホームに入居している老人たちは、基本は裕福なのだろう。まるで高級ホテルのような施設。外は緑いっぱいで、庭にでてちょっと楽器を演奏したり、仲間と気軽にアカペラで歌を歌ったり。若干ボケ気味であったり、癇癪を起しやすい老人もいるが、それもこのホームの一部なのだろう。

みな元有名な音楽家ということで、それぞれの得意分野にはプライドをもっている。穏やかな生活の中にも張り合いはある。そんな平和なホームに元大スターのジーンがやってくる。

誰もが知る有名人。その歌唱力は抜きんでており、入居者のレジ―とは元夫婦関係にあった。ジーンはみなと食堂で食事をすることもなく、歌や楽器に触ることもない。音楽とは離れた生活を送ろうとしている。そんなジーンの存在をうとましく思う者もいる。

昔の仲間であるシシーやウィルスがまた四人でカルテットをやろうとジーンを誘う。そこでも良い時の自分と比較して落ちぶれた自分が許せないジーン。その気持ちはよくわかる。大スターだからこそ衰えた自分を人には見せたくない。

ただ、口は悪いが思いやりのあるウィルスの言葉が心に響く。ジーンがカルテットに参加すると決まってからの流れは、老人たちが協力してコンサートを成功させようとする強烈なパワーがある。出演者は老人だが、パワーみなぎる若者のように見えた。

実際に元有名音楽家たちがホームの老人役として出演していたのがエンドロールでわかる。



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