2017.1.10 謎の資産家の秘密 【華麗なるギャッツビー】
■ヒトコト感想
フィッツジェラルドの小説を原作とした作品。原作は未読。証券会社勤務のニック目線で語られ、突如登場したギャッツビーという大金持ちの秘密が魅力的に語られている。まず、ギャッツビーの豪邸で繰り広げられるパーティがすさまじい。ギャッツビーの家が、まるで城のように豪華で百人単位の人々が集まっても十分すぎるほどの広さのある家だ。
ギャッツビーの正体が知れないまま、夜な夜なパーティ好きの者たちが勝手に集まってくる。そこで隣人であるニックだけがギャッツビーから招待を受け、面会することになる。ギャッツビーが何で儲けているのか。正体不明感がよりミステリアスな雰囲気を醸し出している。危険な香のするギャッツビーの真の目的が明らかとなり、事態は混とんとしてくる。
■ストーリー
宮殿のような豪邸に暮らす、謎めいた男がいる。彼の名は、ジェイ・ギャツビー。どこから来たのか?どうやって大富豪になったのか?仕事は何をしているのか?いったい何のために、毎夜のように豪華絢爛なパーティーを開くのか?誰一人その答えを知らない。「真実を話そう」と、ギャツビーは隣人のニックに、自らの生い立ちを打ち明ける。裕福な名家に生まれ、ヨーロッパで宝石や名画に囲まれた贅沢な暮しを送った。
戦争では数々の勲章を受けて英雄となり、両親が亡くなった今は天涯孤独の身……。出来すぎた話に、「彼は何かを隠している」と直感するニック。やがて、耳を疑う噂と危険な人脈、そして上流社会の女性との禁じられた恋が、少しずつギャツビーの華麗な仮面をはがしていく。ギャツビーがこの街にやって来た、本当の目的は?果たして、彼が人生のすべてをかけた<秘密>とは――?
■感想
ギャッツビーとは何者なのか。隣人であるニックからすると、夜な夜な豪華なパーティを開き、セレブたちがおしよせる家の主。巨大な資産をもつ富豪だとはわかるが、誰もその正体を知らない。ニックが隣人ということで、初めてギャッツビーと出会う際の花火をバックにした映像は衝撃的だ。
想定よりも若く、そして影がある。何をしてギャッツビーが儲けているのかわからない。常に怪しい電話が世界各地からかかってくる。そんな大金持ちのギャッツビーと平凡なニックの関係は、なんだか無二の親友のような雰囲気すらある。
ギャッツビーがこの町にやってきた理由は何なのか。セレブたちを集め、狂瀾の夜を過ごすためにやってきたのか…。ギャッツビーの目的がはっきりすると、そこからニックとギャッツビーと、ニックの従妹のデイジーの関係が明らかとなる。
デイジーとギャッツビーの知られざる関係や、デイジーの夫との関係など、複雑な人間模様が描かれている。特にセレブたちの生活の中で、ある意味群を抜いて金持ちなギャッツビーに対して、さまざまな嫉妬の気持ちが生まれてくる。それをサラリと流すギャッツビーの胆力もすばらしい。
ギャッツビーのラストは悲惨だ。恋い焦がれたデイジーとの関係が壊れ、自暴自棄となる。一代で築き上げた財力も怪しげなビジネスの上で成り立っている。狂喜乱舞したパーティの雰囲気から一転、ギャッツビーが転落していくのもまた面白い。
ニックとギャッツビーの関係は崩れずとも、金持ちのギャッツビーの孤独はすさまじい。怪しげなギャッツビーではあるが、純粋な愛にあこがれ、デイジーと再会するためだけにこの街に引っ越してきたというのはとてつもない執念だ。
映像的インパクトがすさまじい。
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