ジュリエットからの手紙


 2015.3.2      時を経て出会う恋人たち 【ジュリエットからの手紙】

                     


■ヒトコト感想

ヴェローナの美しい景色とさわやかな恋愛。そして50年を経てもなお衰えない情熱。ヴェローナへやってきたソフィがひょんなことからジュリエットとして手紙を書くことになり、そこから50年前の恋人探しが始まる。50年前にすれちがったクレアとロレンツオが、時を経て出会う。

ロレンツオ探しが困難であればあるほど、出会った時の感動は大きい。そして、ロレンツオ探しの旅がソフィに新たな恋愛を運んでくる…。景色の美しさにごまかされそうになるが、クレアとロレンツオの恋愛は、偶然の要素があるにしても感動的だ。それに引きずられるように、ソフィとクレアの孫であるチャーリーの恋愛は、なんだか強引なような気がした。

■ストーリー

婚約者のヴィクターとヴェローナへやって来たソフィ。ひとりジュリエットの家を訪れた彼女は、偶然壁の中で眠っていた50年前の手紙を見つけ…。

■感想
婚約者と旅行に来たソフィ。ヴェローナでは婚約者のヴィクターがソフィそっちのけで新しくオープンするレストランのためにワインの買い付けに夢中となる。ただ、ヴィクターとソフィの関係がギクシャクしているという描写はない。

お互いがお互いを尊重し、それぞれ別行動をするが、愛のあるカップルに見えている。ヴィクターとソフィのようなカップルは、なんの問題もないと思うのだが、ソフィがロレンツオ探しへ没頭することで、ふたりの関係に変化が訪れる。

50年前にすれ違いから離れ離れになったクレアとロレンツオ。ソフィが書いた手紙から、クレアはロレンツオを探すことになる。ソフィとクレアとチャーリーの三人でロレンツオ探しをするのだが、同姓同名ばかりでなかなか見つけ出すことはできない。

50年も前となると、記憶は美化され相手も自分も、容姿が変わっていることを一時忘れている。そのことを瞬間的に思い出したクレアが尻込みする気持ちはよくわかる。クレアが勇気を出した結果…。間違いなくクレアの恋愛がソフィの心情を変化させている。

本作はとりあえずハッピーエンドなのだろう。ソフィは婚約者がいながらチャーリーに惹かれ、チャーリーはソフィへの気持ちを押さえつける。婚約者との関係が破たんしたソフィはすぐにチャーリーの元へと向かうのだが…。どうにも、この流れが「なんだかなぁ」と思ってしまう。

流れ的にはソフィとチャーリーがくっつくのが筋なのだろう。ただ、ヴィクターがひとりかわいそうな気がしてならない。ソフィとチャーリーが幸せになった反面、ヴィクターはいつまでも後悔しそうな終わり方だ。

ヴィクターの心境で見るとつらいかもしれない。



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