ジャッジ・ドレッド


 2015.4.26      情け容赦ない攻撃の数々 【ジャッジ・ドレッド】

                     


■ヒトコト感想

メガシティ・ワンの秩序を守るジャッジ。ジャッジの行動は徹底している。ジャッジに対して攻撃した場合、ジャッジ殺人未遂とみなされ処刑される。ギャングが人質をとったとしても、あっさりとギャングを始末してしまう。仮面をかぶり、ちょっとバットマン風な風貌から、バットマン的なキャラを想像するのだが大違いだ。ヒーローと言ってしまうと語弊がある。

正義を振りかざすのだが、見方によっては極悪人にも見えてしまう。まったく情け容赦ない攻撃。少しでもギャングに手を貸そうものなら、市民だろうとおかまいなし。ただ、ピーチツリー内の悪人たちが、想像以上に傍若無人の限りをつくすので、相対的にジャッジが正義の味方に見えてしまう。

■ストーリー

時は未来。荒廃したアメリカは、東海岸沿いに広がるメガシティ・ワンと呼ばれる都市を残すのみとなっていた。政府も国家も消え去り、そこで唯一、秩序を守るのが、警察官であり裁判官、そして刑執行の権限が与えられている集団<ジャッジ>であり、その頂点に立つ男こそがドレッドである。

ある日ドレッドは、新人ジャッジ、アンダーソンと共に、悪名高きギャング、ママ一味が支配する200階建高層ビル、ピーチツリーへと乗り込む。しかし、ママはビルを完全シャットダウンし、全住人に向けてジャッジの抹殺命令を下す。

■感想
無法地帯の秩序を守るために組織されたジャッジ。仮面をかぶり特殊な武器を持つ死刑執行者。悪人を発見すれば、その場で死刑執行してしまうのは、まさに悪人を裁くジャッジとしてふさわしい。新人ジャッジのアンダーソンと共に悪党に支配されたピーチツリーで、ジャッジの頂点に立つドレッドが暴れまわる。

ドレッドは正義感にあふれるタイプではない。どちらかというと、正義を隠れ蓑に殺人を楽しむ異常者的なイメージすらある。それほど、悪人をあっさりと、まるで楽しむように殺してしまう。

ピーチツリーの戦いは衝撃的だ。ジャッジ二人対ピーチツリーの住人2万人の対決となる。数々の仕掛けを潜り抜けドレッドたちは戦い抜く。そして、ピーチツリーの親玉であるママに近づく。ドレッドが容赦ないのは当然として、悪党たちのすさまじさもすばらしい。

まるで戦争のように、巨大なマシンガンをぶっ放す。弾丸はコンクリートをぶち破り、中の住人たちを殺しまくる。ここまでやるか?と思うほどの殺戮の数々。これだけ悪党ならば、ドレッドの容赦ない裁きを受けたとしても、自業自得と思わせる流れが出来上がっている。

ジャッジの武器は、悪人たちが持つ武器とはひと味ちがう。未来的であり、その威力も段違いだ。後半ではドレッド対裏切り者のジャッジたち、という図式が出来上がっている。銃撃戦で飛び散る血液。粉々に砕ける肉体。

人の肉体を弾丸が通過するシーンをスローモーションで描かれると、グロテスクさを通り越して芸術的とすら思えてくる。アンダーソンは、超能力を使うという特性上、ヘルメットをかぶらずに素顔をさらしているが、ドレッドは最後まで仮面を被った姿だ。

ドレッドの素顔は変なおじさんのような気がしてならない。



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