ホールパス/帰ってきた夢の独身生活


 2016.1.17      既婚者の夢をぶち壊す 【ホールパス/帰ってきた夢の独身生活】

                     


■ヒトコト感想

独身時代はナンパし放題で、いろいろな女性と付き合うことができた。それが結婚して妻帯者となったとたん、他の女性に手を出すことができないと嘆く男たち。そこには、自分たちが歳をとり見た目がかなり変わっていることを棚に上げて、既婚者ということを大きな理由としている。ただ、性欲は旺盛で奥さんとできないことに不満をもったりもする。

ホールパスという独身時代に戻れるパスを奥さんから発行してもらう。となると、町へくり出しナンパ三昧でより取り見取り。なんてことにはならない。世間の既婚者の男たちの様々な勘違いをユーモアを交えて打ち破っている。あからさまに男たちをダメで情けなくて下品な存在として描いている。また、男たちが良い表情をしているのが面白い。

■ストーリー

親友同士のリック(オーウェン・ウィルソン)とフレッド(ジェイソン・サダイキス)は、ともに長年の結婚生活に疲れ切っていた。その様子を素早く感じ取った妻たち(ジェナ・フィッシャー&クリスティナ・アップルゲイト)は結婚生活に活を入れるための大胆な方法を思いつく。

1週間の間は浮気をしようが何をしようがお咎めなしの独身許可証=“ホール・パス”を夫たちに与えようというのだ。念願叶ったリックとフレッドは大喜び。早速、夢の独身生活を満喫しようとするのだが…。

■感想
中年オヤジのリックとフレッド。結婚生活に嫌気が差しているというよりは、自由にSEXができないことに欲求不満を抱えているような状態だ。妻といつまでもやりたいと思う。そして、若い女にも目がいく。中年オヤジのあさましい考え方と、下品な行動が本作の面白さのポイントだろう。

自分たちは独身に戻れば、たちまち女性たちがよってきてより取り見取りとなる。なんていう幻想を抱いている。リックとフレッドの下品な行動の数々は、人によっては嫌悪感を抱くかもしれない。ただ、間違いなく、男からすると笑えるような場面ばかりだ。

あまりに夫たちが勘違いした発言ばかりするので、妻たちは夫たちに独身許可証を与えることにする。一週間限定だが、そこで自由気ままな独身生活に戻ることができる。となると、夫たちは街にくり出しナンパに精を出すが…。当然のごとくうまくいかない。

自分たちのふがいなさに気づかされるリックたち。かと思うと、パスを与えた妻たちが、実はこっそりと浮気していたりもする。このあたり、コメディチックに描かれてはいるが、かなり衝撃的な展開であることは間違いない。男たちにもそれなりにチャンスはあるが、それを活かすことができない。なんとも悲しい状況だ。

最後の最後には奇跡的にオジサンたちが若い女の子といい感じになれるチャンスがやってくる。が、ここにきて男たちは尻込みしてしまう。やはり最後は妻が良いという結論になるのだろう。方や妻の方はというと…。コメディ要素全開で、随所に声を出して笑えるような場面がある。

下品な場面も、これが男たちの習性だと思えばそれも納得できてしまう。男たちの悲しい性を面白おかしく描いており、女たちのしたたかさと、最後には男の帰巣本能に訴えるような流れがある。

既婚者の独身に対する憧れをぶち壊すインパクトはある。



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