ひまわりと子犬の7日間


 2016.10.24      すさまじい保健所の実状 【ひまわりと子犬の7日間】

                     


■ヒトコト感想
本作が実話ということにまず驚いた。保健所職員が決められた犬の保護期間を過ぎると、犬を殺処分する。いきなりその映像を見せられると、わかっていても衝撃をうける。里親探しがうまくいかなければ、犬は殺される運命にある。保健所職員は確かに辛い仕事だろう。そして、そのことを子供に告白できるのかもポイントかもしれない。

わかってはいることだが、目の前で今からこの犬が殺処分されるといわれると助けたくなる。一匹だけを助けたところで何の意味もないのだが…。本作では、かなりこのあたりが綺麗ごとのように感じてしまう。保健所職員としてどうすべきかはわからないが、一匹の犬だけ助けたところでどうなるの?と思ってしまう自分が嫌だ。

■ストーリー
ある冬の寒い日、母犬と生まれたばかりの子犬が保健所に収容される。母犬は近寄る人すべてに激しく吠え、懸命に子犬を守ろうとしていた。一匹でも多くの犬を助けるため、里親探しに奔走する職員の神崎彰司は、母犬の心を開かせようと奮闘する。

彰司の娘は、もう一度太陽の下で生きていけるよう、母犬に「ひまわり」と名付けるが、その願いもむなしく、犬たちの命の期限は刻一刻と近づいていた-。人間の仕打ちに心を閉ざしてしまった飼い主のいない母子犬と、 彼らを守ると決めた保健所職員が起こした、奇跡の実話。

■感想
保健所職員が起こした実話。野犬を捕まえたところ、実はその野犬に子供がいた。野犬を保護期限の7日後に殺処分すると、子犬まで死んでしまう。その現実を知った保健所職員はなんとか母犬を手名づけ助けようとする。

保健所職員の仕事というのは、精神的に過酷かもしれない。7日間、ひたすら里親が現れることを願うが、現れなければ殺処分するしかない。保護の期限を延ばしたくなるのもよくわかる。そして、自分の子供たちに、自分がしていることを話せないのも、ものすごくよくわかる。

保健所職員が殺処分される犬を見るのは日常茶飯事のはずだ。だが、本作では常に少しでも長く保護期間を延ばそうと職員は奮闘している。上司の命令に逆らってまで期間を延ばそうとする。サラリーマン的ではないことは確かだ。

自分の仕事を子供たちに胸を張って説明できない。仕事だからという言い訳は、子供には通用しないだろう。特に犬好きの子供からすると、保健所の職員は悪魔のような人物かもしれない。保健所職員も仕事だから、しょうがなくやっていることだが、辛い状況だ。

野犬を手名づけ、子犬を助けるために保健所職員が犬を引き取る。こんなことを保健所職員が始めたら、収集がつかないだろう。この犬は助けたが、別の犬は助けず殺処分するということになる。一匹助けたところで何の意味もないと思ってはならないのだろう。

人に決してなつかなかった野犬が、保健所職員の必死の行動で心を開きなついてくる。感動的場面のはずが、保健所職員が引き取るといった瞬間に、なんだか妙に覚めてしまった。実話だということで、より覚めた目で見てしまった。

保健所の実状は衝撃的だ。



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