陽だまりの彼女


 2016.8.23      感情移入できれば泣ける 【陽だまりの彼女】

                     
陽だまりの彼女 スタンダード・エディションDVD [ 松本潤 ]

■ヒトコト感想
原作は未読。恐らく原作を読めば感動したであろう内容だ。初恋の人と社会人となって再会し、素敵な恋愛関係となるのだが、彼女には大きな秘密があった…。この秘密がかなり肝だ。正直、中盤まではありきたりな恋愛映画でしかないと思った。特別な要素はなく、ライバルの男や彼女の親に若干反対されるなど、お決まりの困難が待ち受けている。

ただ、後半となり彼女の秘密がうっすらと明らかになると…。ラストの場面では泣ける要素が目白押しだ。浩介がいなくなった真緒を探す場面で、微かに残る記憶から他の人に真緒のことを聞いて回る。なんとも泣ける場面だ。小説として読んでいれば泣けただろう。映像としては、最初のありきたりな印象を拭い去るのは難しい。

■ストーリー

中学時代に出会い、初恋に落ちた浩介と真緒。その後二人は離れ離れになってしまうが、ある日仕事先で10年ぶりに再会する。真緒はかつてイジメられっ子だったが、今は美しくて仕事のできる素敵な女性になっていた。そんな彼女に浩介は再び恋をするが、彼女には誰にも知られてはいけない“不思議な秘密"があった……。

■感想
中学時代に出会い、イジメられっ子であった真緒を守った浩介。お互い成長し社会人となりふたりは再会した。そこで美しく成長した真緒に恋をする浩介。ここまでは非常にありがちな恋愛映画だ。昔はいけてなかった女の子が成長し美しくなる。

わかりやすい展開であり、真緒を狙うイケメンの存在や、真緒の父親の反対など、ありきたりな障害がふたりの前に立ちはだかる。が、ふたりは固い絆に結ばれ結婚するまでに至る。非常に定番的であり、浩介は真緒を守るかっこよい男というイメージが植え付けられる。

中盤までは使い古されたネタのオンパレードだ。が、後半になると毛色が変わってくる。真緒が不可解な行動をとりだし、調子も悪くなる。ここで不治の病系か?と考えるのだが…。思いもよらない展開へとなってくる。

中盤までひどく現実的な恋愛映画だったはずが、ここへきてファンタジーの要素をもってくるとは思わなかった。それらしい伏線はあったが、決定的な要素ではない。突如として毛色が変わるが、基本は愛する人との別れをオチとしているのに変わりはない。

恐らく映像作品よりも小説作品の方が心に響くだろう。特に、真緒の思い出をたよりに真緒を探し続ける浩介の場面は涙がこぼれそうになるかもしれない。原作の感動をそれなりに表現できているとは思うが、それまでのありきたりな展開が、どうにも心に残っている。

最初にありきたりな印象となっているので、そこから脱却するまでにはいたらない。ファンタジーの要素に驚きはするが、その先は想像できてしまう。涙がこぼれそうになる場面はあり、激しく感情移入できれば泣けるだろう。

激しく感情移入できれば泣けるだろう。



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