グッモーエビアン!


 2016.12.17      親が自由人だと子供がマジメになる 【グッモーエビアン!】

                     


■ヒトコト感想
元バンドマンの母親アキと娘のハツキ。若いちょっとパンクな母親としっかり者の娘ハツキ。普通ならば親が娘の生活態度について説教するところが、ハツキがマジメすぎて、アキから「もう少しスカートは短い方が可愛い」とまで言われてしまう。ちょっと貧乏な母子家庭に、突如として自由人のヤグが帰ってくる。

アキとヤグの関係は、結婚はしていないが内縁の妻のような関係。ヤグはハツキのことをハッピーちゃんなんて呼ぶ。真面目なハツキはアキやヤグにイライラし始め…。大人が自由だと子供は対照的に真面目になるという例なのだろう。ヤグが底抜けに明るく自由なキャラなので、子供からすると不安しかわいてこないのはよくわかる。

■ストーリー
元パンクバンドのギタリストで、17歳で母親になったアキと、しっかり者の女子中学生・ハツキは対照的だが、親友のように仲がよく、名古屋のアパートで二人暮らし。ある日、約2年間、海外放浪の旅をしていた自由人・ヤグが帰ってきた。アキと同じバンドでボーカルだったヤグは、自分の子どもではないハツキが産まれる前からアキと一緒に暮らしていた。

2年ぶりの3人暮らしで、アキとヤグは楽しそうだ。でもやたらと絡んでくるヤグや、きちんと仕事をしないヤグを笑って許しているようなアキの態度に、ハツキはイライラしてしまう。そんな中、ハツキは親友のトモちゃんと喧嘩してしまい、彼女はそのまま転校してしまう。さらに自分の進路にある決断をする。それをきっかけに、ハツキはアキの本当の気持ちや、ヤグの過去を知ることとなる……。

■感想
元バンドマンで若くして母親になったアキ。その娘で真面目なハツキ。アキと仲の良いヤグはハツキからしたら父親のような存在だ。マジメなハツキからすれば、定職につかずフラフラと自由気ままに生活し、家に転がり込んできたヤグは人間失格のように思えるのだろう。

ヤグのそんな生活をニコニコと笑顔で受け入れるアキに対しても不満のわくハツキ。親友のトモちゃんが、ヤグのような父親のことをうらやましく想うことが、逆に腹の立つハツキ。ハツキの気持ちは嫌というほどよくわかる。

ヤグはハツキのことを「ハッピーちゃん」と呼ぶ。このあたりもハツキの気に入らない部分だ。何かとハツキに関わろうとするヤグ。親友のトモちゃんが転校する際には、ヤグが学校にまで乗り込んでハツキを連れ出そうとする。ある意味熱い男であるヤグと、それについていけないハツキ。

ハツキの学校の英語教師が最初につぶやく言葉Good Morning everyoneが「グッモーエビアン」に聴こえるから、このタイトルになったのだろう。複雑な家庭環境にある真面目な女の子が、どのような選択をするのかが描かれている作品だ。

アキやヤグのような両親だったらと思うと…。ハツキが反発したくなる気持ちもよくわかる。くそまじめで子供をがんじがらめにするような両親も嫌だが、ごく普通の家庭ではない自由気ままな両親というのもまた嫌だ。

ハツキが親に反発し、中学を卒業したら働いて一人暮らしすると言い切るのもわかる気がした。成績は優秀であっても、いちはやくこの両親から独立したいという気持ちがハツキをかりたたせるのだろう。ハツキの気持ちはよくわかる。

ラストは底抜けに明るい終わり方だ。



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