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　2016.2.11 　　 　　ヌメヌメした爬虫類の怪物　【グエムル　漢江の怪物】

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グエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション(3枚組) 【DVD】

■ヒトコト感想
漢江に毒物を流したことで、怪物グエムルが生まれたという流れなのだろう。だらしのない生活をしていたカンドゥがグエムルに遭遇し娘のヒョンソをさらわれたのを契機に変わろうとする。カンドゥが、きたならしい金髪で中年太りのだらしないおっさんというのがポイントだろう。娘を助けるために父親や兄弟と共にグエムルのアジトへと向かおうとする。

内容はＢ級映画の典型だが、かなり金がかかっている。次々とグエムルに襲われる人々。ぬめぬめとした体をもち、巨大な爬虫類のようなグエムル。その動きはやけにすばやく、体も固い。こんな怪物が川に住んでいるというだけで鳥肌ものだ。

■ストーリー
ソウルの中心を南北に分けて流れる雄大な河、漢江(ハンガン)。休日を、河岸でくつろいで過ごす人々が集まっていたある日、突然正体不明の巨大怪物<グエムル>が現れた!河川敷の売店で店番をしていたカンドゥの目の前で、次々と人が襲われていく。

気付いた時には遅かった!カンドゥの愛娘、中学生のヒョンソがグエムルにさらわれたのだ!さらに、カンドゥの父ヒボン、弟ナミル妹ナムジュのパク一家4人は、グエムルが保有するウィルスに感染していると疑われ政府に隔離されてしまう。しかし、カンドゥは携帯電話にヒョンソからの着信を受け、家族と共に病院を脱出、漢江へと向かう。果たして彼らはヒョンソを救えるのか?そしてグエムルを倒すことはできるのか!?

■感想
典型的な情けないオヤジであるカンドゥ。だらしのない金髪がトレードマークだが、グエムルが登場したシーンでは、勇敢にもグエムルに立ち向かっている。グエムルに接触した人はウィルスに感染するという発表があり、カンドゥ家族は拘束されることになる。

娘のヒョンソをグエムルに連れ去られた時のカンドゥ家族の悲しみはすさまじい。その他、グエムルの餌食となった人々の合同葬儀のシーンでは、なんとなくだが全体的に冷たい雰囲気が流れているような気がした。

カンドゥたちは、ヒョンソを助け出すために隔離施設から抜け出す。このあたり、カンドゥ家族はバラバラになるが、様々な方法でグエムルを倒そうとする。全体として非常にシュールだ。グエムルを倒すために必死になるあまり、周りが見えなくなる家族。

ホームレスが突然助太刀に現れたり、非合法な方法で隔離施設を脱出したり。グエムルに対する激しい怒りというよりも、絶望感を強く感じてしまう。ラストの、バラバラになった家族やその他の者たちが協力してグエムルを倒す場面だけは、熱さを感じる部分だ。

映像が全体的に汚らしいというか、画質は良いのだが、泥まみれであったり、ぐちゃぐちゃとした質感だったり、汚らしい橋げたなど、映像が汚い。カンドゥたちが汚らしい状況にある中で、グエムルを倒すはずの警察や政府関係者は防護服に身を包み、清潔な状況であり、カンドゥたちに対して激しい攻撃をくりだす。

この対比が物語のアクセントになっている。グエムルを倒した後に、髪を黒くしたカンドゥが登場してくるのだが、手放しで喜べる場面ではないのが微妙だ。

ラストが完全なハッピーエンドではなく、微妙なのはどうなのだろうか。