グリーン・マイル6 


 2017.10.15      コーフィーは聖人か? 【グリーン・マイル6】

                     
グリ-ン・マイル 6 /スティ-ヴン・キング / スティ−ヴン・キング、白石朗
評価:3
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■ヒトコト感想
メリンダを救ったコーフィだが、メリンダの病原の元を体におさめたまま刑務所へ戻ることになる。なぜコーフィーは鼠やポールの時と同じように口から吐き出さなかったのか。そこには大きな理由があった。コーフィーを刑務所から連れ出したポールたちが、パーシ―たちに気づかれないよう刑務所に戻るのに苦心する。

その過程で、パーシーに対してコーフィーが行ったことは…。コーフィーが病原の元を口から吐き出さなかった理由が判明する。そして、コーフィーが収監されるきっかけとなった、双子少女の殺人事件の真相が明らかとなる。ポールが回想形式で語る本作。コーフィーの存在自体が非常に強烈なインパクトがある。

■ストーリー
ジョージア州の老人ホームで余生を送るポールが、生涯のなかでもっとも忘れがたい1932年の出来事を回想しながら書いているこの物語も、そろそろ終わり―ジョン・コーフィの処刑が目前に迫った時、ポールは恐るべき真実を知った。そして…。死刑囚舎房で繰り広げられた恐怖と救いと癒しの物語もいよいよ完結。分冊形式ならではの幾重にも張られた伏線と構成が導く感動の最終巻。

■感想
メリンダの病を取り除いたコーフィー。そこでめでたしめでたしとなるのではなく、もうひと波乱ある。物語の論調としては、病に苦しむ者を助けるようなコーフィーがなぜ幼い双子の少女を殺害したのか?という疑問がわく。

ポールを含め、コーフィーの信じられないような力を目の当たりにした者たちは、コーフィーが無実であることを疑わない。それでも、今のコーフィーを救う手だてがないことはわかっている。コーフィー自身が、自分が死刑にされることについて、まったくといって良いほど何も言わないことが、よりコーフィーを聖人のように見せている。

メリンダの病原菌を体におさめたまま刑務所へ戻ってきたコーフィー。ここで驚きの行動にでる。コーフィーが不思議な力を持っており、その力が様々な形で応用できるということが判明する。コーフィーは触れられただけで、相手の悪意や犯してきた罪がわかる。

コーフィーは、偶然から双子の姉妹を殺した犯人を知ることになる。そして、その犯人に鉄槌を下すために、ある行動にでる。コーフィーがメリンダの病気をずっと体にいれたまま、刑務所に戻ってきた理由がここで判明する。

結局のところコーフィーが何者かはわからない。寡黙で巨大な黒人。ただ存在するだけで悪魔のような雰囲気すらある。そんなコーフィーだが、心優しく、他者が苦しむのを見ていられない。自分が無実の罪で刑務所に入れられたとしても、そのことに抗議するのではなく、何も語らない。

見た目と能力と性格のギャップにより、コーフィーに強烈なキャラクターを植え付けている。パーシーを筆頭に人間的にとんでもない者がいる中で、コーフィーの潔さは強烈なインパクトを残している。

コーフィーは、見た目は大違いだが、天使のようにすら思えてくる



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