グレートデイズ 夢に挑んだ父と子


 2017.5.5      父親のすさまじい頑張り 【グレートデイズ 夢に挑んだ父と子】

                     
グレートデイズ! -夢に挑んだ父と子ー[ ジャック・ガンブラン ]
評価:3

■ヒトコト感想
生まれた時から障害を持ち車いす生活をおくるジュリアン。ちょっと小生意気で母親に溺愛されている17歳。ジュリアは車いす生活で自分ひとりでは何もできない。にもかかわらず急に思い立ち、父親のポールとアイアンマンレースに出たいと言い出す。ポールが過去に挑戦したことを知り、別の障害者親子が完走したのを知り、自分もと思ったのだろう。

車いすも満足に自分で動かせないジュリアンがどのようにしてアイアンマンレースにでるのか。実際にレースをするのはポールで、ジュリアンは水泳時はボートに乗りポールに引かれるだけ。自転車では前に座り、ランでは車いすをポールに押してもらう。ただポールの負荷が信じられないくらい増大しただけのレースだ。

■ストーリー
車いすの生活をおくる17歳のジュリアンは、失業して久しぶりに帰って来る父ポールとの再会を楽しみにしていた。だが、息子とどう接していいか分からないポールは、口もきこうともしない。そんな父にジュリアンは、とんでもない提案を突き付ける。「父さんと、アイアンマンレースに出たい。」ふたりの無謀すぎる挑戦は、やがて周囲の人々を巻き込んで、皆の夢へと変わっていく…。

■感想
障碍者のジュリアンが父親のポールとアイアンマンレースに参加する。水泳3.8km、自転車180km、マラソン42.195km これらをひとりでやるのがアイアンマンレースなのだが…。障碍者のジュリアンがやりたい、と言った時、いったどのようにしてジュリアンがレースに参加するのかと疑問に思った。

満足に自分のことができず、車いすすら移動させることができない。そんなジュリアンが母親の溺愛からあえて逃れるために、無理難題を言っているとしか思えなかった。

昔アイアンマンレースに参加したことのあるポール。だからと言って、ジュリアンとの関係修復のため、ジュリアンとレースに参加するのは無謀すぎる。ただでさえ過酷なレースに、ジュリアンというハンデを背負いながらの参加。制限時間がある中で、ポールがどれだけ超人かというのがわかる作品だ。

驚きなのがポールの練習風景でそこまでポールの能力が高いという描写がない。にも関わらず他の参加者たちと共に、ゴールにたどり着こうと必死になる。ジュリアンのわがままに振り回されているように思えてしまった。

皆が当たり前にジュリアンを応援している。確かに障碍者からすると、ずっと座っているというのは辛いのかもしれない。が、もっと辛いのはポールなのではないだろうか。正直言うと、ただ座っているだけのジュリアンは素直に家でポールがレースに参加するのを応援していれば良いのでは?なんてことを思ってしまった。

恐らく本作の意図は別のところにあり、父と子の関係修復に困難な目の前のハードルを乗り越えることが重要だと言いたいのだろう。ジュリアンがレースに参加したいと言った瞬間のポールの驚きが如実に物語っている。

何よりポールのすさまじい頑張りが印象的だ。



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