グランド・ブダペスト・ホテル


 2017.6.26      チャップリンのような面白さ 【グランド・ブダペスト・ホテル】

                     
グランド・ブダペスト・ホテル【Blu-ray】 [ レイフ・ファインズ ]
評価:3

■ヒトコト感想
グランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュが過去を回想する物語。伝説のコンシェルジュ・グスタブの破天荒な人生が描かれている。プロフェッショナルな仕事ぶりは常軌を逸しており、高級マダムの夜のお供までも仕事としてこなす。そして資産家マダムの死がきっかけとしてグスタブは騒動に巻き込まれる。グスタブの行動は非常に面白い。

いかにもホテルマンといった立ち振る舞いで他者を圧倒する。弟子のゼロと共に、命を狙われたり、投獄されたり、脱獄して逃亡生活を送ったり。資産家との対決や、殺し屋との追いかけっこも最高だ。シリアスな物語のはずが、どこかチャップリンに似たコメディと感じてしまう。グスタブの動きがすべての面白雰囲気をかもしだしているのだろう。

■ストーリー
美しい山々を背に優雅に佇む、ヨーロッパ最高峰と謳われたグランド・ブダペスト・ホテル。その宿泊客のお目当ては“伝説のコンシェルジュ“グスタブ・Hだ。彼の究極のおもてなしは高齢マダムの夜のお相手までこなす徹底したプロの仕事ぶり。

ある日、彼の長年のお得意様、マダムDが殺される事件が発生し、遺言で高価な絵画がグスタブに贈られたことから容疑者として追われることに。愛弟子のベルボーイ・ゼロの協力のもとコンシェルジュの秘密結社のネットワークを駆使してヨーロッパ大陸を逃避行しながら真犯人を探すグスタヴ。殺人事件の真相は解明できるのか!?

■感想
グスタブが最高に面白い。プロのコンシェルジュとしての行動はかなり突飛だ。お客である高級マダムの要求にはなんでも答える。そこには当然、夜のお供も含まれている。資産家マダムが死ぬと、その遺言がグスタブに一部が引き渡されることになる。

それが気に入らない者たちによる攻撃が始まる。グスタブはコンシェルジュネットワークを駆使する。なんだかとんでもないネットワークだが、グスタブのすごさを感じずにはいられない。弟子であるゼロが飄々とした表情で、たまにグスタブに反抗するのがさらに最高だ。

敵の策略により投獄されるグスタブ。そこでも仲間の協力により脱獄することになる。ゼロを含めた周りの者たちの協力もまた強烈に面白い。殺人事件の真相よりも、グスタブを含めた関係者たちの右往左往具合が良い。ゼロはゼロで、まれに反抗的になるが、最後までグスタブに心酔している。

銃撃戦あり、雪山での逃亡劇あり、殺し屋を追いかけたり追いかけられたり。まさにチャップリンのような動きで笑わせる雰囲気に満ちている。出演陣は豪華だが、皆、どこかコメディチックな雰囲気だ。

ミステリー的な雰囲気はない。資産家マダムの殺人事件についてはほとんどオマケのような感じだ。ホテルの伝説的コンシェルジュの過去が面白おかしく描かれている。ゼロが語るグスタブの人生は、破天荒だがその後、ゼロが同じホテルのコンシェルジュになっているのも良い。

なんだか良くわからないが、最後はちょっとあっけないというのもすばらしい。ぶっきらぼうでプロフェッショナルなコンシェルジュ。ゼロの家族の不幸についてもサラリと流されているあたり、コメディメインという臭いがプンプンしている。

ブスタブのキャラクターは強烈だ。



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