GODZILLA 2014


 2015.11.25      ゴジラの背中は哀愁漂うオヤジの背中だ 【GODZILLA 2014】

                     


■ヒトコト感想

正直、有名なゴジラではあるが、今まで見たことがない。ハリウッドのリメイク作品はもちろんのこと、オリジナルもだ。満を持して初めて本作を見たところ、ゴジラのイメージを誤解していたことに気づいた。ゴジラはいわば地球を滅ぼそうとする悪役で、ゴジラの魔の手から地球を守る人間たちが主役の物語と勝手に思いこんでいた。それが、実はゴジラはアイアンマン的な立場であることに驚いた。

正体不明の怪獣たちから地球を守るためにゴジラが体を張って活躍する。ゴジラの見た目や風貌から想像したパターンとは正反対だ。放射能を食料とするムートーとゴジラの対決。人間は怪獣たちの対決に手も足も出ない。ゴジラが正義の味方であることに若干の違和感を覚えてしまった。

■ストーリー

1999年、日本。原子力発電所で働くジョー(ブライアン・クランストン)は、突如として発生した異様な振動に危険を感じて運転停止を決意。だが、振動は激しさを増して発電所は崩壊し、一緒に働いていた妻サンドラ(ジュリエット・ビノシュ)を亡くしてしまう。

それから15年後、アメリカ軍爆発物処理班の隊員である、ジョーの息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)は、日本で暮らす父を訪ねる。原発崩壊事故の原因を調べようと侵入禁止区域に足を踏み入れた二人は、そこで思いも寄らぬ光景を目にする。

■感想
現実の原発問題がヒントとなっているのは確かだろう。地下深くに眠る謎の怪物。放射能を餌として生きる怪物。超巨大で軍隊のミサイル攻撃にはびくともしない。逆に核弾頭付きミサイルは食べてしまう。怪物の見た目も恐ろしく、どこかカマキリを思わせるフォルムだ。

放射能を食べると聞くと、地球にやさしい怪獣のような気もするが…。実際には、オスとメスが存在し、子供を産み育てようとする。怪物たちからすると、人間界のことなどどうでもよい。立ち並ぶビル群を壊しながら進んでいく。

巨大な怪獣というだけで、人間からは目の仇にされる。軍隊の力が通用しないとわかると、人間はお手上げ状態となる…。そこで登場するのがゴジラだ。突如、海から浮かび上がり、ムートーと対決する。どちらも人間界にとっては邪魔な存在であることは間違いない。

ゴジラが現れた当初は、人間たちがミサイル攻撃をしている。ゴジラとムートーの戦いは、怪物同士なので、当然激しいものとなる。その余波を受けるのは人間たちで、当然のことながらビルは破壊されまくる。

ゴジラがムートーを倒す。すると、人間たちは都合よく、ゴジラを称賛する。海に帰っていくゴジラ。なんだかこのシーンは妙に象徴的というか、ゴジラは人間のために戦っているのではないのだぞ、と思わせるようなゴジラの後ろ姿だ。

妙に哀愁漂うその後ろ姿は、中年オヤジの背中を連想してしまった。ゴジラが人間たちの味方だとは思わなかった。このパターンであれば、ウルトラマンと同じように、怪獣のバリエーションを増やせば、永遠にシリーズとして続けることができる。ただ、当然飽きられてもくるだろう。

初めて見たゴジラは、ゴジラが人間たちの味方ということに衝撃を受けた。



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