ゲットスマート


 2015.4.2      くそマジメなエージェントが面白い 【ゲットスマート】

                     


■ヒトコト感想

スパイモノを面白おかしく揶揄した作品。くそまじめにミッションインポッシブル風な流れを作っておきながら、主人公のスマートの無表情なまぬけっぷりが面白い。脅威の分析能力を持つ男スマート。なかなかエージェントに昇格できなかったが、ついにエージェントとして極秘任務にたずさわることになる。アン・ハサウェイが演じるやり手エージェントのカレルとスマートの絡みが良い。

優秀なのかダメなのかわからないスマートの行動の数々。組織のチーフとのまぬけなやり取りも面白い。極秘作戦でのちょっとした失敗に、普通ならば焦った表情をするところを、スマートは無表情にやりすごす。この無表情な部分が強烈に面白い。いっさいのおふざけなし的な表情がよりユーモアを引き立てている。

■ストーリー

アメリカ諜報機関の本部が国際犯罪組織に襲撃され、全エージェントの顔と身元が割れてしまう緊急事態が発生した。驚異の分析能力を持つがゆえにエージェントへの昇格を見送られたマックスウェル・スマートは、未知のエージェント“86”として極秘任務に就くことになる。スティーブ・カレル、アン・ハサウェイほか出演によるスパイ・アクション・エンターテイメント!「

■感想
秘密諜報機関が、犯罪組織と対決する。政府の諜報機関に所属するスマートは、エージェントへと昇格し、極秘任務に就くことになる。驚異の分析能力を持つスマート。七三にきっちりと分けられた髪型と、くそまじめな表情。どこからどうみても、真面目な公務員風な風貌

諜報員としての能力も微妙だ。口だけはたっしゃだが、格闘はからっきし。知識だけは豊富だが、実態が伴わない。特に肉体を使う任務にはからっきし。毎回カレルに助けられてばかり。カレルもそんなスマートをバカにするような言動を繰り返すのだが…。

諜報機関のチーフとスマートのやりとりが強烈に面白い。スマートのドジな行動の被害を受けるのは毎回チーフだ。敵と間違われ、顔面に消火器をたたきつけられたり、車で激しくカーチェイスをした結果、チーフの顔がカジキマグロのオブジェに串刺しにされそうになったり。

チーフが状況を冷静に分析し、それに対してこれまた冷静な口調で答えるスマートが秀逸だ。カレルの色っぽいスパイ活動と比べると、明らかにスマートはダメエージェントだ。それでも、ここぞというときに信じられないような活躍をするのがスマートだ。

カレルはスマートをダメエージェントと思いながらも、ラストの展開で一気にスマートへの評価が変わる。このあたり、ザ・ハリウッド映画的に、男女は最後に幸せな結末を迎える、のパターンだ。ダメエージェントであるはずのスマートが、ラストでは優秀なエージェントに見える不思議さ。

どちらかと言えばダメキャラ的であったチーフも、最後に大活躍する。ラストの激しいアクションで、死んだかと思われたスマートが…。明らかに既存のスパイ映画を意識しつつ、それをパロディとしてユーモアを付け加えている。

終始表情の薄いスマートは、デブ女と二人で激しいダンスを踊る部分が最高潮に面白い。



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