劇場版MOZU


 2017.8.3      ワンパターン化する流れ 【劇場版MOZU】

                     
劇場版 MOZU /西島秀俊 香川照之 たけし 松坂桃李 長谷川博巳
評価:2

■ヒトコト感想
ドラマは見ていた。地上波とWOWOWで放送されていたが、最終的にどちらも見た。MOZUの最大の謎である「ダルマ」については真実が判明しないままドラマは終わっていた。それを補完するために本作があるのだろうが…。なんだかむちゃくちゃな映画という印象だ。次々と強烈な殺人鬼が登場し死んでいく。意味ありげな大物が登場しては死んでいく。

それもやけにあっさりと。かと思うと倉木や大杉は瀕死のダメージを負っても、次の瞬間には普通に日常生活を送っている。東に関しては、よりイカレ具合がパワーアップし、ただの異常者にしか見えない。主人公近辺と東以外の悪役の扱いがあまりに違いすぎる。ダルマの正体についても、特別な驚きがあるわけではない。

■ストーリー
高層ビル占拠爆破とペナム大使館襲撃、二つの大規模テロが同時発生した。これらの事件は犯罪プランナー・高柳(伊勢谷友介)と実行部隊を率いる殺し屋・権藤(松坂桃李)を中心とするテログループによる犯行であった。

彼らは、日本犯罪史の重大事件を影で操ってきた存在「ダルマ」(ビートたけし)の名のもとに、ある犯罪計画を極秘裏に進行していたのだ。灼熱の地・ペナム共和国を舞台に、事件の真相を追う倉木達と、最後の敵・ダルマとの死闘がついに幕を開ける!

■感想
ドラマでは明かされなかった「ダルマ」の真実がとうとう明かされる。日本の重大事件を裏で操っていた存在のダルマ。人の夢にでてくるという奇妙な存在。テロ事件をきっかけとして、倉木がダルマの存在に近づくことになる。

スレたような映像は今までどおり、序盤はミステリアスな展開が強い。異常なテロリストの存在や、犯罪コンサルタントなど新たな大物の存在を予感させるには十分な展開だ。そこから、倉木と大杉に巨大な力が押しよせてくる。もはや様式美となりつつある展開だ。

ドラマはミステリーとしての面白さがあった。本作はストーリーを完結させるため、物語を盛り上げるため駆け足で進み、ミステリアスな部分を切り捨てている。特にテロリストたちとの対決に関しては、お決まりどおり倉木や大杉は瀕死の重傷を負うことになる。が、次の場面では、ふたりは日常生活へ戻っている。

時間的に経過しているのだろうが、どのようにして助けられたのかが一切描かれていない。ふたりに比べると、テロリストや悪役側の主要人物は、あっさりと死んでしまう。特に高柳は、マヌケな殺されかたをしている。

ダルマの正体についても特別な驚きはない。日本を裏で操る大物という描き方も、特別新しいわけではない。ダルマの謎が特別ではないので、その他の部分で特徴をだすしかない。となると、シリーズを通しての悪役的存在である東に頑張ってもらうしかない。

東がドラマ版から比べ、格段に異常さが増している。イカレ具合が群を抜いている。最後にはダルマを道連れにして死んだのでは?なんていう意味深な流れとなりながら、次の場面ではヘンテコな場所で倉木と会話をしたりもしている。

ドラマのシーズン1は面白かったが、回を重ねるごとにワンパターン化している。



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