ゲーム


 2016.7.31      オチを知らずに見るべき 【ゲーム】

                     
ゲーム [ マイケル・ダグラス ]

■ヒトコト感想
かなり昔の作品だが、最初に見た時には衝撃を受けた。その衝撃を再び感じたいがために見てみたのだが…。ずいぶんと記憶が美化されていたということに気づいた。巨万の富をもつ男が弟からプレゼントされた「ゲーム」に参加するという物語だが、どこからどこまでがゲームかわからないのがポイントだろう。

CRSという謎の企業も奇妙で恐ろしく、ゲームでここまでやるか?と思わせる流れがある。初見時はかなり驚いたのだが、オチを知っている状態で見ると、あちこちにほころびが見えてしまう。ネタバレは厳禁な作品なのは間違いない。そして、オチを知った時の衝撃を感じるのが一番の楽しみ方なのだろう。

■ストーリー

マイケル・ダグラス演じる大会社の経営者は、巨万の冨をもちながら、私生活では殺伐とした孤独の世界の住人だ。誕生日を迎えた日、音信不通だった弟が現れ、お祝いにあるゲームに参加できるというカードをプレゼントされる。半信半疑でゲームに参加した彼だったが、次々と奇妙な事件に見舞われる。やがて現実と虚構の世界の狭間で、彼の精神的なバランスは崩れていくのだった。

■感想
投資会社を経営する経営者が、弟からあるゲームをプレゼントされる。そのゲームの参加に同意したことから…。ゲームを主宰する企業のCRSがなんだか怪しげな雰囲気を醸し出している。男の過去のトラウマを刺激するような仕掛けや、危険な行動まで。どこまでがゲームなのかわからなくなる。

秀逸なのは、CRSとタグのついた鍵や小道具が登場してくる場面だ。偶然に手に入れたアイテムは、男がピンチにおちいると必要になる。このあたりは、まさにテレビゲームのRPGのような流れだろう。

エスカレートするゲームは、次第に男を追い詰めていく。あげくの果てには、男の預金がすべて何者かに盗まれてしまう。すべてはCRSが仕組んだことなのか、それとも…。エスカレートするゲームは非常に恐ろしい。自分の命が危険にさらされるような場面さえある。

ここまでくると、もはやゲームとは言えないだろう。男は不審がる。このあたり、観衆は男と同じ立場になり、ゲームの真の目的を探ろうとするだろう。ネタバレがなければまさに、興味を惹かれるピークの場面であることは間違いない。

オチを知るとかなりの衝撃を受けるだろう。このオチがあってこそ、それまでの伏線が生きてくる。逆にオチを知った状態で見るというのも面白いと思い見てみたのだが…。やはりオチを知っていると、何かと先読みしてしまい、初見では気づかない荒い部分に目がいってしまう。

ミステリアスな流れは非常に良い。そして小道具の数々と薄暗い画面もゲームの雰囲気を盛り上げるのに適している。ただ、その先にあるオチを知ってしまうと、それだけで致命的になるということだろう。

ゲームのオチを知らずに見ることをおすすめします。



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