2016.4.19 作中に実際の被害者の写真が 【フローズン・グラウンド】
[DVD] フローズン・グラウンド
■ヒトコト感想
実際に起きた事件をモデルにしたという前情報があると、強烈なインパクトがある。「実話を元にした」という情報がなければ特別面白いとは思わない作品だ。転職目前の刑事が、連続殺人事件を調査する。容疑者はすでに絞られてはいるが、確実な証拠がない。殺されそうになった娼婦のシンディと、刑事ハルコムがどのようにして証拠固めを行うかが物語のポイントとなる。
証人であるシンディに次々と犯人からの魔の手が襲いかかる。現実で本当にここまで強烈なことがあったのか?と疑問に思うが、すべて事実なのだろう。証拠固めができないまま、起訴ができないとなると、事件が握りつぶされる危険性もある。これらがすべて実話ということに驚かずにはいられない。
■ストーリー
1983年アラスカ・アンカレッジ。モテールの部屋で手錠につながれ叫び声をあげている17歳の娼婦シンディが警察に保護された。ハンセンに疑いがかかるが、町の善良市民と言われている彼を疑う余地はなく事件は握りつぶされそうになる。
しかし彼女を保護した警官は納得いかず、調書を州警察に送っていたのだった。その頃、身元不明の少女が遺体で発見された。担当していた退職間近の刑事ハルコムは、一連の事件と調書からハンセンをマークするのだが決定的な証拠がない。しかし、シンディには再び犯人からの危険が迫っていた…
■感想
娼婦のシンディが警察に保護されることから始まる本作。過去に犯罪歴のあるハンセンが捜査上に浮かび上がるが、証拠がない。捜査を担当するのは、刑事から転職しようと考えるハルコムだ。このあたりが、実話の面白さなのだろう。
ハルコムが最後の仕事として執念をもってハンセン逮捕を目指す。ハンセンへの容疑を固めるために必要な証拠がない状態で、どのようにしてハンセンを起訴するのか。シンディとハルコムの関係も、単なる証人と刑事だけでなく、同士としての思いが強いのだろう。
ハンセンの光明さもまた強烈なインパクトがある。警察にマークされていると知ると、すぐに物的証拠を隠す。そして、弁護士を引き連れて刑事からの追及をかわそうとする。連続殺人犯としてのハンセンは強烈なインパクトがある。
見た目は普通の男だが、激高すると途端に豹変する。この手の異常者の描写は、これが実話だと知りながら見ると、かなりのインパクトがある。映画の中だけの世界で、こんな連続殺人が起こるのならば問題ないのだが、現実でも映画のような事件が起きたことに驚かずにはいられない。
エンドロールでハンセンに殺されたと思われる人物の顔写真が登場するのだが、これが強烈だ。映画の世界と現実の世界をリンクさせるのはルール違反だろう。よく見ると、作中にも同じ写真が使われていたような気がした。
映画作品としては犯人が無事逮捕され、後日談としてシンディは3児の母となっていることに、ほっとした気持ちをもたずにはいられない。実話なので、ドラマチックな展開があるわけではない。地道な捜査と、刑事の執念によって事件は解決されたということなのだろう。
実話ということに、強烈なインパクトがある。
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